FC2ブログ

Stories of fate


月の軌跡(R-18)

月の軌跡 (暁) 71

 二人を呼んでの会食を再開した夜、柊は二人に聞いてみた。

「え?ああ、あの夜ですか・・・?」

 哲也はちょっと考え込む。

「実は、僕、あまりよく覚えていないんですよ。」
「・・・私も。」

 哲也とルカは照れているというよりは、本気で顔をしかめて考え込んでいた。

「ルカさんの、まあ、愚痴みたいなのを聞いて、とにかくかなりのハイペースでいろいろ飲んでいる内に、段々気持ち悪くなってくるし、二人ともろれつも回らなくなってくるし・・・。」
「何を、そんなに飲んだの?」
「それが、いろいろなんで覚えてないんですよね。」
「私の知り合いの店に行って、試作品のカクテルをどんどん試し飲みしてたの。半額で良いって言われて、ちょっと欲張っちゃったのよね。」
「・・・。」

 柊は呆れて、ふと二人の話を茫然と聞いている澪に視線を移す。

「澪ちゃんはそんな飲み方、絶対ダメだよ。」
「私はまだ未成年ですから。」

 今度は、ルカと哲也が目を見交わして、はいはい、と呆れる。

「いずれ、本当に懲りたわ。・・・男にも。」

 ルカはちょっと寂しそうに笑う。

「それくらいでちょうど良いんじゃないですか?仕事とか、趣味とか、何かにエネルギーを向けてみた方良いですよ、ルカさん。まだ若いんだから。」
「何よ、大学生に説教されたくないわね~!」

 哲也はただにこにこ笑ってルカを見ていたが、不意に澪に向かって同じ笑顔を向ける。

「そういえば、澪さん、模試とか始まってるでしょう?受けてました?」
「センター試験のですか?」
「そうそう。」
「希望者だけですので、まだ・・・。」
「受けるだけ受けてた方、良いですよ。やれることは、もう何でも。」

 澪はちょっと首を傾げて隣の柊を見上げた。

「良いよ、好きにして。」

 柊は言い、哲也は頷く。

「資格の類は、いくらあっても邪魔になるものじゃないから。」




関連記事
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png 紺碧の蒼
もくじ  3kaku_s_L.png 真紅の闇
もくじ  3kaku_s_L.png 黄泉の肖像
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 2
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 3
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 4
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 外伝集
もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い月
もくじ  3kaku_s_L.png 永遠の刹那
もくじ  3kaku_s_L.png Sunset syndrome
もくじ  3kaku_s_L.png 陰影 2
もくじ  3kaku_s_L.png Horizon(R-18)
もくじ  3kaku_s_L.png Sacrifice(R-18)
もくじ  3kaku_s_L.png 閑話休題
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←Horizon (レポート) 20    →月の軌跡 (暁) 72
*Edit TB(0) | CO(0)
ジャンル:[小説・文学] テーマ:[現代小説

~ Comment ~















管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←Horizon (レポート) 20    →月の軌跡 (暁) 72