FC2ブログ

Stories of fate


光と闇の巣窟(Another story)

磔刑の聖女




↑ちょっとフザケた動画ですが(ーー;



   磔刑の聖女

鈍色の足取り 決意で進める
背中に風を感じて 一度だけ振り返る

宵闇の匂いは 不思議と懐かしく
背中を押してくれる そう そんな気さえしたわ

押し寄せる悲しみに 独り震えて 指でなぞる 遥か遠い約束
湧き上がる憎しみの 脆く歪な 刻の果てに 闇を見つめ接吻
(嗚呼 虚ろな儘 移ろう儘 歪な  嗚呼 罪を集め接吻)

今でも忘れられない・・・
(今尚憶いだせない・・・)

 「殿下、お嬢様をお連れいたしました。」
 「Elisabeth、喜べ、お前の結婚相手が決まったぞ。求婚してきたのはラインプファルツだ。
  いき遅れには願ってもない相手だろう。」
 「お言葉ですが、お兄様・・・」
 「お父様と呼べと、何度言ったら分かる。」
 「いいえ、お兄様、私はどなたのもとにも嫁ぐ気はありません。」

愛を偽って生きるくらいなら
真実と共に死すことも厭わないわ

二人で見つけた野ばらが
君を包むことを願って墓標の周りに植えたけど
結局 遂の終まで咲くことはなかったね・・・

月光に恋をした鳥籠の白い鳥は、地に堕ちると知りながら、最後まで羽ばたくよ。
だからこそ宵闇に唄うのは、憾みの唄じゃないわ・・・。


 「なるほど。それで君は磔にされた訳だね。
   一途な想いを貫くのもけっこうだけど
  果たして彼は君の命と引き換えてまで 本当にそれを望むのかな?」

  「まあ、良い。
   さあ、復讐劇を始めようか。」

  「いいえ…私はそんなことを望んでなどいないわ
 人にはそれぞれ背負うべき立場と運命がある
  貴方が会いにきてくれた
  私にはそれだけで充分
  ねぇ、本当に覚えていないの?
  今尚まばゆいあの日々さえも…」

  「メル、そんなになってまで約束を守ってくれたのね…」

焔(ひかり)を無くした君を縛る冷たい鎖は
愛(ひかり)を亡くした君を想う二人の愛憎

鳥は空へ屍体は土へ 摂理を裏切り続けた
夜は明けて終わりの朝へ 次の別離こそ永遠―

でも・・・
後悔などしていないわ。嗚呼、これが私の人生
≪門閥貴族の令嬢≫でも≪七選帝候の息女≫でもないわ、私は≪一人の女≫
唯君だけを愛した―
唯の【Elisabeth】




※ 茉莉を殺そうと思っていたのに、結局殺せずじまいだった本編に少し心を残していたので、こういう形で‘死’を描いてみました。


関連記事
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png 紺碧の蒼
もくじ  3kaku_s_L.png 真紅の闇
もくじ  3kaku_s_L.png 黄泉の肖像
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 2
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 3
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 4
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 外伝集
もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い月
もくじ  3kaku_s_L.png 永遠の刹那
もくじ  3kaku_s_L.png Sunset syndrome
もくじ  3kaku_s_L.png 陰影 2
もくじ  3kaku_s_L.png Horizon(R-18)
もくじ  3kaku_s_L.png Sacrifice(R-18)
もくじ  3kaku_s_L.png 閑話休題
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←宵闇の唄    →あとがきに代えて
*Edit TB(0) | CO(2)
ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ミステリ

~ Comment ~


「ああ夢でよかった」と思う反面、

「夢になっちゃうのかあ……」とちょっと不満にも。

フクザツ……。

もうちょっと自分の中で困惑がおさまるまで待ってください(汗)
#942[2011/12/15 19:47]  ポール・ブリッツ  URL  [Edit]

ポール・ブリッツさまへ

ポール・ブリッツさん、

これは、途中で辛くなって、夢オチにしよう! と考えて進みました。
ですから、初めは本当の Another(もう一つの現実) 世界の予定で始めておりました。
本編でも、実は! 最初は茉莉を殺して終わる予定でした。
それが、気弱なfateは、絶対、京介に恨まれる~…と怖くなって、生き返らせてみたりしました(^^;
それでようやく、Another worldなら良いであろう、と本編で出来なかったことを周到に始めたのに、結局…。

ああ、いつか、徹底的な悲劇を描いてやる~~~~!!!

#950[2011/12/16 08:47]  fate  URL 














管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←宵闇の唄    →あとがきに代えて