Stories of fate


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光と闇の巣窟(Another story)

光と闇の巣窟(Another story) ‘天使の羽’ 11

 それを、今朝の夢はすべて余すことなく再現してくれた。
 俺にとって、茉莉がどんなかけがえのない存在だったのか。
 そして、失うことの意味を。
 思い出すと心の底からぞっとする。
 だけど、あれは一歩間違えれば現実となったことだった。




 あの後、数週間して訪ねて来た医師が、茉莉の元気な姿を見て、誰よりも安堵していた。本当に、本当に、ぎりぎりの選択だったのだと彼は涙を滲ませて語ってくれた。

 いや、医学的な説明は実はよく分からなかった。しかし、彼が俺たちのことを思ってずっと前から心を砕いてくれていたことだけは分かった。

 以来、彼は茉莉の健康状態のチェックのために、数ヶ月に一度は顔を出してくれている。この別荘は、持ち主がもう使う予定がないので、好きに使ってくれて良いと言ってくれているそうだ。さすがに冬はそれなりに厳しいが、造りが小さいので部屋はすぐに暖まるし、まあ、なんとか暮らしていける。

 三島さんがあの屋敷を辞めたのは本当だ。

 そして、あの夢の通り、実家を手伝っているそうだ。本人に会って聞いた訳ではないのに、あんな風に光景は鮮明に浮かぶものらしい。夢とはおもしろいものだ。

 いや・・・、とふとキッチンで鍋を用意しながら、俺は思う。

 あれは、もうひとつの現実だ。

 あのとき、もし、茉莉を失うこととなっていたら。
 夢と同じ道を辿らなかったと俺に言えるだろうか?

 憎しみは波紋を広げ、連鎖を生み、俺は恩人である医師までを殺すところだった。

 そんなことになっていたら、本当に二度と茉莉には会えなかっただろう。同じ世界、同じ時間を生きることは叶わなかっただろう。

 生きている。
 このかけがえのない時間。
 それを忘れてはいけない。




 いつか、茉莉に子どもを授かることがあったら。
 俺はきっと理解できるようになるだろうか。

 茉莉の母親が、そして、あんな男でも父親だったあいつが、そして高篠夫人が我が子を想う強い愛情を。掛け値なしの、見返りなど一切求めないほどの深い愛を。

 奪い合うことほど虚しいことはない。あの世界の俺は、不毛な負の連鎖から抜け出せずに終わってしまった。その恐ろしいまでの‘憎しみ’。

 憎しみは憎しみしか生まない。それはどこかで誰かが断ち切らなければならないのだ。
 茉莉は・・・それをいとも容易くやってのけた。

 誰も憎んでも恨んでもいない、と。そして、恨みに捕われ、憎しみに支配され、罪を犯した俺のことも許してくれようとした。

 その、高貴な魂に心から敬意を表する。




 君が、ここに、生きていてくれること。
 俺が望んだのはそれだけだったのだ。
 本当に、本当に、それだけだったのだ。




 朝食の支度を喜々として始めた茉莉の横顔を見つめ、俺は、胸が熱くなり、涙が零れそうになった。
 

 




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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ミステリ

~ Comment ~


こんにちは~^^

遠慮なく、ご感想を書きに参りました~v

これは、何より「本編」を読んでいてからこそ! (当たり前ですが)だと思います。
冒頭では、え? 何故? という衝撃でしたが、本編があるだけに、読みながら「現実ではないかも?」という感じはありました。
それが、ただ予想通り「夢でした」なら、正直「よかったね」だけ、だったと思うのです。でも、それだけではないものがあって、その「感覚」に感動しました。
少し物語の中でも最後のほうに補足はされていますが、私は「天使の羽」の章を読んだ途端に、作者様の書きたいことが、「どば~っ」と一気に感じて、これは凄いと思いました。
夢でよかったねv だけじゃなくて、「これだけ現実的な想いをしなければ、主人公は己の葛藤から抜け出せないんだ」「もし現実だったら、彼は絶対に復讐をやっていただろう(本編からの葛藤もあったし)」というのに、意味があるんだと、夢と解った途端に感じました。
夢じゃないのかな? と予想しながらも、あまりにも現実的で矛盾(別の物語?、みたいな)はあるかもしれません。それが、凄い効果になっていると思います。そういった意味で、読んでいるほうも息を飲むような感じで、「夢でよかった」という涙が出ました。

私には「補足(夢だったわりに、三島さんのこととか現実も同じだったなど)」のように感じるラストですが、難しいところかもしれません。書かなきゃ、解らない、矛盾している、という人もいるかもしれません。書いておくに越したことはないのでしょう。
私としては、「書かなくても十分に伝わりましたよ」と言って差し上げたいです。

こんな感想で申し訳ないですが、私自身も良い勉強になります。ありがとうございます。
また、お付き合いいただけると嬉しいです。

もし、コメント内ではお返事しにくいことなどあったら、私のブログに「メールフォーム」がありますので、ご利用下さい。
それでは、また~^^
#12[2011/08/25 16:58]  かつま  URL 

ご感想ありがとうございます。

実はとても楽しみにしておりました。
感想をいただくのは、ものすご~く楽しみで励みになります。

そんな風に受け取っていただけて幸せだと、まず思いました。
途中で現実ではないかも、と分かってしまっていたか・・・とちょっと「ありゃ・・・」感はありましたが、物語に込めたことが伝わっていたなら、まぁ、良いかな、と思います。
もっと徹底的な復讐をさせて、その場で復讐の虚しさに愕然とさせたかったのですが、あまりそういうシーンの描き方が分からずにこちらも実は中途半端で終わってしまった感じになりました。
つまり、高篠夫人に直接対決させずに終わったことへの心残りです。
それがなかったら意味ないよな、とfateも今更思うのですが、下調べも何もなしにいきなり勢いで書いてしまうので、なかなか難しいです。
かつまさんも、ファンタジーをそんな感じでおっしゃっておりましたね。
なんとなく、親近感を抱いてしまいました。

今後は少しは描きたい世界の資料を読みこみ、勉強してマトモな作品に仕上げていければ・・・と思うだけは思っております。

とてもとても素晴らしい感想をありがとうございました。
いや、ほんとに分かってくださる方に伝わったことがとても嬉しかったです。

#13[2011/08/25 23:06]  fate  URL 

こちらこそ~^^

感想は人それぞれの感じ方があると思うのですが、私はどちらかというと「客観視」しないほうなので、評価(書評)にはならず、あくまでも主観的な感想なので申し訳ないです。また、今回は「テーマ」的なものが、自分の作品と似ていたので、特に主観的かもしれないです~><;)
少しでも、何かのお役に立てると嬉しいのですがe-330

小説の転載もどんどん進んでいて、私は追いついてないですが、またどこかに出没すると思います! その時は、よろしくお願いいたしますe-466

私も、ブログを「小説」にお引越ししようかな~、と思ってます。素敵なテンプレートがあることも教えていただいたので、作品は少ないけど、ちょっと雰囲気だけ作ってみようかな~(笑)
日記と併用になるので、鬱陶しそうですが^^;)

それでは、ゆっくりでいいので、連載中の作品もよろしくね~e-267 
#14[2011/08/26 16:39]  かつま  URL 

Re: こちらこそ~^^

再度、ありがとうございます~。
いえいえ、ご感想に客観視など必要ありません。書評も確かに嬉しいですが、fateは出来ません。他の作家さんにも好きだとか感動したとか泣いたとか(・・・???)「感想」しかコメントしておりませんし、評価を欲しい方もいらっしゃるでしょうけど、fateの場合は読者さまからの感想を何より欲しいです。

読者さまからの何気ないご感想や要望で、けっこう「おお!そういう手もあったか!では、やってみるか(^^)」などと思い立つこともあります。
読者さま視点からの言葉とはすでにそこでfateにとっては客観視していただいている外の目です。
新鮮で楽しいです。

加筆・修正の作業も何気に楽しんでますが、その内、完成せずに終わったものにも手を入れて進めてみたいと思います。ありがとうございます。

> 私も、ブログを「小説」にお引越ししようかな~、と思ってます。素敵なテンプレートがあることも教えていただいたので、作品は少ないけど、ちょっと雰囲気だけ作ってみようかな~(笑)
> 日記と併用になるので、鬱陶しそうですが^^;)

↑はい、ぜひ、試してみてください。
日記は日記で楽しませていただいてますので、続けて欲しいですが、作品も一緒に掲載されていると尚おいしい!!!(欲張り・・・)

では、こちらもちょこちょこ(ほぼ毎日・・・)お邪魔いたします。
8月末には、fc2のR-18作品は完全に閉じますので、ブログかfc2小説サイトかどちらかがしばらく放ったらかしになるとは思いますが、それから、さすがに自分の仕事もちょっくら忙しくなるので、ネットから遠ざかる日々が少しはあるかも知れませんが、死んでませんので、見捨てないでください(^^;

再度のコメントありがとうございました。
#15[2011/08/26 17:22]  fate  URL 

読了しました。

あれ?あれ?

と思いながら、ずっとお話を追っていました。
夢で良かったですね…「酷い悪夢」ですが。
短い感想で申し訳ないのですが、fate様の言わんとするところは良く分かったつもりです。
「復讐ダメ絶対!」
#700[2011/11/26 20:06]  有村司  URL 

Re: 読了しました。

有村司さん、

おおお! もう、こちらまでっ
これ、Another なんだから、夢にする必要なかったのに、作者が甘くて、結局こういうオチになってしまった…というのが、実は正しい(--;

有村さん、しかし、他作家さまのところでもものすごい量を読破し続けているのに、fateのところでも、こんなに読んでいただいて、執筆する時間、ございますか~? と心配です(^^;
まぁ、実はfateも今はほとんど執筆しておりませんが。
あれですよね、吸収したい時期ってのもありますよね。
今は、fateも放浪の時期なんですな。
今、upしているのは過去に描いた世界ばっかりですから~

#703[2011/11/27 07:53]  fate  URL 

夢で良かったですよ。本当……。
京介が復讐にだけ生きるような男にならなくてほっとしました。
文中でもありましたが、茉莉がそんなことを望むわけありませんから。

彼は今、幸せなんだと思います。
だからこそ不安になるし、怖くなる。

これからも二人はきっと大丈夫。
そんな気がします。
#1148[2011/12/29 17:50]  ヒロハル  URL 

ヒロハルさまへ

ヒロハルさん、

> 夢で良かったですよ。本当……。

↑↑↑あああ、そうおっしゃっていただけて、嬉しいです。
実は、ほんのちょっとですが、‘夢’オチじゃないラストの予定もあったんです。
が、fate自身が描いていて苦しくなって、ええいっ、夢だったことにしてしまえ~! ということになってしまいました。

> 彼は今、幸せなんだと思います。
> だからこそ不安になるし、怖くなる。

↑↑↑そうなんでしょう。
そして、例え夢であれ、ここまでしないと昇華出来ないものを抱えてもいたんですな。
以前、かつまさんが下さったご感想に、「これだけ現実的な想いをしなければ、主人公は己の葛藤から抜け出せないんだ」「もし現実だったら、彼は絶対に復讐をやっていただろう(本編からの葛藤もあったし)」というのに、意味があるんだと、夢と解った途端に感じました。
↑というのが、まさにその通りなんだろう、とfateよりも理解してくださったことに鳥肌でした~

> これからも二人はきっと大丈夫。
> そんな気がします。

↑↑↑はい、ありがとございます。
fateもそれを祈ってます(^^)

#1151[2011/12/30 07:21]  fate  URL 

こんばんは

こんにちは~。
このアナザストーリーを、先ほど一気読みしてきました。
こういう展開を書いてみるのも楽しいですね。
あのとき、もしもそうなっていたら二人は・・・という妄想と、本編で描くにはちょっと後味が悪いかも、とおもう展開を、夢落ちで。
これはおいしいです。
最後まで、夢落ちだと気づかなかったので、ハラハラしましたが^^

最近、創作気力がダウンしてしまって、苦労しています。
小説家養成教室に通うブロガーさんが、「やはりブログ小説は自由気ままなぶん、自己満足で成長がない」というような記事を書かれていたので、そうなのかなあ~と、わが身を振り返ってしまったり。

でも小説ブログは、賞を意識しない分、奇想天外な発想が生まれたり、読者の反応を見て確かめたり構成しなおしたりという事も出来、それはそれでおもしろい世界ですよね。
・・・と、自分を励ましています。

で、fateさんの作品は、こんなに面白いんだから、小説ブログは、十分に「アリ」なのだ。
と、帰路につきます^^
#2464[2012/09/26 18:17]  lime  URL  [Edit]

Re: こんばんは

limeさん、

おおお、こちらを一気に~♪
実は最近、あかねさんがこちらを読んでくださってコメントくださっているので、fateも読み返しておりました。
で、はいはいはい。
初めて使いましたとも! 夢オチ!
が、ここで告白いたしましょう(ーー;
これは、当初、夢オチの予定は毛頭ありませんでした。
another story という副題はそのためですから(^^; これは、本当に別次元の二人を描いた筈だったのです。つまり、茉莉ちゃんが死んでしまったパラレル世界です。
それが、なんで夢オチに???
本編と同じ理由です(ーー;
つまり、描いているfateが辛くなってしまった・・・
「紺碧の蒼」ですら、描き終えた後の疲弊は半端ではありませんでした。その後、物語がしばらく綴れなくなったほどです。そういうあるテーマをきちんと突き詰めきれない。これが素人の甘さ、と言ったらそうかも知れなくて、成長がないとか、(コメ編集前の)レベルが低い、と言われても仕方がないのかも、とは感じます。
これも、恐らくプロの編集さんが読んでくださったら、その甘さとやはり夫人との直接対決がなかった薄っぺらさ加減を指摘されるだろうと思います。

がっ!!!
商業出版されている作家の先生がすべて素晴らしいかと言うとそれも疑問符です。
好みの問題はありますが、読む人を不快にさせる作品がもてはやされるのはやはり疑問だし、素晴らしい小説ってそもそも何? という素朴な問いがあります。
fateは、小説ブログさんはかなり放浪している方だと思いますが、いや、趣味の問題があるので、ダメなブログさんには二度と行きませんが(^^; かなりレベルの高い方もいらっしゃるし、おおおお! と心から感嘆する物語と出会えることもあります。
limeさんの世界だって素敵です♡
ミステリの力を借りて人間を描いている、それ、本当に分かります。
そういう‘人間’がきちんと描かれていないハナシは実は読むのが辛いですが、limeさんの人物はものすごく読み手側の心に迫ってきます。それって、本当に人物がそこに生きているからっすよねぇ!
こんなところでなんですが、limeさんのそのミステリ部分をもっとハードに内容を濃く深く描くとものすごい読み応えだと思いますよ~ん!
本格ミステリの描けないfateは、他作家さまに描いていただいて読みに伺う方が良い~
フフフ。

> 最後まで、夢落ちだと気づかなかったので、ハラハラしましたが^^

↑↑↑え、ほんとですか?
ってか、確かに最初は夢オチの予定じゃなかったからなぁ(ーー;

> 最近、創作気力がダウンしてしまって、苦労しています。

↑↑↑そういうときは、無理されない方が良いです。
fateのリンクさんも、そうやって休養されていらっしゃる方、休養明けの方、いろいろいらっしゃいます。
アウトプットの時期とインプットの時期ってありますし、好きなことを苦しくなる状態で続ける必要はないですよ。それこそ、プロじゃないんだから!

web小説は、web小説ならではの楽しみ、読者さまと共に世界を練り上げ、作り上げる、っていう強みもあるし、ダイレクトに反応が返ってくる楽しみもあります。
それに、なんでプロの構成・背景・設定レベルが高いのか、なんて当たり前です。
彼らは仕事として取材は出来るし、執筆のためだけに一日を使えるんですから。でも、それに準じる程度のことは出来るし、余暇をこつこつ使って取材だってできないことはないっ
それを考えたら、ほんとに、web小説家の方が素晴らしいと思います!!!
(いや、素晴らしい! のはfateのことじゃないけどさ!(^^;)
#2466[2012/09/27 08:09]  fate  URL 














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