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Stories of fate


光と闇の巣窟(R-18)

光と闇の巣窟 (生命) 16

 やがて、ぱっちりと茉莉は目を開けて、俺を見上げ、そして、その細い両腕を伸ばして俺にすがりついてきた。

「先生・・・、先生・・・」

 茉莉は、震える声で必死に俺の胸に顔をうずめる。

「ごめん、茉莉ちゃん。もう勝手に出かけたりしないから。」

 震える背中を抱きしめて、肌に触れるほど強く髪を撫でる。少し落ち着いて、やっと身体を離して俺を見つめた茉莉の目は熱く潤んで、・・・彼女は‘女’の顔をしていた。

 俺の心も揺れた。同情より、愛情より、欲望が首をもたげた。
 様々な思惑の渦巻くこの空間。

 俺が、今そうしなければ、高篠夫人は別の誰かを見つけて、どうしたってこの子を追いつめようとするだろう。それを思った瞬間、俺は、言いようのないどす黒い感情が湧き起こってきた。

 おもむろに、彼女の身体を抱き寄せて唇を合わせると、茉莉は微かに震えたが、もう逃げようとはしなかった。

 口をふさいだまま、そうっと茉莉の身体をベッドへ下ろし、俺は更に深いキスをする。熱く溶け合うように舌を吸い、微かに漏れる小さな声に支配欲がむくむくと身体の奥から湧き起こるのを感じた。

 もう、止まらなかった。

 一旦、唇を離して茉莉の着ていた服のボタンを外す。前開きのワンピースをするすると下ろし、下着も一緒に外していく。途中で怯えてイヤがるかと思っていたが、彼女は終始無表情で無抵抗だった。

 茉莉をすっかり裸にしてしまうと、俺もすぐに服を脱ぎ捨て、一瞬、未知なることへの恐怖に、怯えた目で俺を見上げた彼女の細い身体をぎゅっと腕の中に抱きしめる。ほっそりとしてはいたが、茉莉の身体は柔らかく、そして、胸も当初よりは少し育っているように感じられた。俺の肌に当たる柔らかい肌の感触が温かかった。

「保健体育の実践授業しようか。」

 俺は、茉莉の目を見下ろして微笑んでみせる。

「・・・どうして・・・」
「何?」
「どうして、生き物は、子どもを作るの?」

 肌を合わせたまま、茉莉は小さな声で聞く。そこに、恐怖や嫌悪の色はなかった。ただ、そうすれば大丈夫というように、俺の胸にすがりついて小さく震えている。

「それは・・・生命の本能だからね。」

 俺は、努めて穏やかに答える。明らかに俺の目には‘欲望’の色が浮かんでいるであろう。それに茉莉が怯えているのは明白だ。

 茉莉は、どこか放心したような表情を浮かべてはいたが、その奥にどこか好奇の光が見える。

「・・・そんなこと、ずっと考えていたの?」

 茉莉は小さく頷く。
 生命の不思議。生まれてきたことの不思議。生きていくことの不思議。
 そうか、この子は、それを卵を抱くように抱えて生きていたんだろう、ふとそんな気になる。
 何故、生まれてきたのか?それを一番問いたいのは、確かにこの子だろう。

 再度、唇を合わせ、腰の下に手をまわし、ぎゅっと身体を密着させる。茉莉の柔らかい肌に触れて、俺の肉棒が成長するのが分かった。

 茉莉はどこか切なそうな色を浮かべた瞳で、空(くう)を見つめ、喉の奥に流し込まれる熱い液を飲み込んだ。

 彼女の唇を解放し、俺は、その小さな柔らかい胸をそっと両手でそれぞれ包み込み、先端部分を口に含んだ。吸い上げて舌先で弄ぶと、茉莉は小さく身体を震わせ、声をあげた。

「下等生物は、本能のままに子孫を作るけど、高等動物になればなるほど、生命は本来の活動から外れていくんだ。他に楽しいことや快楽を知ってしまって、誰も生殖を行わなくなってしまったら、種が滅んでしまう。だから、神様は人間に性の悦びを授けた。」
「・・・性・・・の悦び?」
「そう、生殖行為に、快楽と至福の瞬間を与えて、脳が興奮するようにしたのさ。」



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~ Comment ~


ユーモラスというとおかしいのですが

語り手の如月さんの語り口が、なんだかちょっぴりユーモラスなんですよね。
彼の性格は基本、飄々としているのでしょうか。
それで、重たい話にも関わらずユーモアが漂っているように感じるのだと気がつきました。

血、生命、性の不思議。
そういうことをこれから茉莉ちゃんが考えるようになっていくのかな?

このお作はなんだかとっても複雑で、私の感想も矛盾だらけになってしまうのですけど、まあ、そのあたりは大目に見てやって下さいね。

そういえば、なんの歌だったかなぁ。「キスを落とす」というフレーズがあって、あ、fateさんだー、と思ってしまいました。fateさんのお作には印象的なフレーズがたくさんありますものね。
#2374[2012/09/06 00:50]  あかね  URL 

Re: ユーモラスというとおかしいのですが

あかねさん、

> 語り手の如月さんの語り口が、なんだかちょっぴりユーモラスなんですよね。
> 彼の性格は基本、飄々としているのでしょうか。

↑↑↑言われてみると、あれっすね。
『黄泉の肖像』の主人公を少し重くした感じかのぅ。
こいつは、あいつの原型であったか。

> このお作はなんだかとっても複雑で、私の感想も矛盾だらけになってしまうのですけど、まあ、そのあたりは大目に見てやって下さいね。

↑↑↑ほえ?
そ、そうっすか?
そんなに複雑かぁ。
でも、確かに人物たちの感情の行きどころが定まりない気もします(^^;
このあと(R指定箇所の後)、恐らく一気に物語は流れ出して加速します。そして、え? と終わる。
ううむ、自分で説明してて、なんだか、いったいそれってどんなハナシや(ーー; という不毛な気分に陥りました~

> そういえば、なんの歌だったかなぁ。「キスを落とす」というフレーズがあって、あ、fateさんだー、と思ってしまいました。fateさんのお作には印象的なフレーズがたくさんありますものね。

↑↑↑ええ、そ、そんなぁヾ(´▽`)
でもでも、「キスを落とす」は他作家さまの表現を勝手に盗用しているだけですから~(^^;
ははは・・・

#2379[2012/09/06 08:08]  fate  URL 














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