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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (満月のとき) 108

 その年の9月の名月。満月は、9月23日18時17分だった。
 秋分の日と重なって休日となったその日。

「知ってる?君たち一族の生理周期が、月の満ち欠けと深く関わっていること。」

 まだ薄明るい夕刻。早々に夕食を済ませてベッドに入った聖凛が、すでに虚ろな表情の腕の中の小枝子の耳元にそっと問いかける。

「んっ・・・、ダメ!」

 耳たぶを舐められて、小枝子は首を振る。

「排卵は、満月の日に行われるんだよ。」

 聖凛は言って、そのまま首筋に舌を這わせる。

「・・・えっ???」

 やっと、言われた意味を理解して、小枝子は愕然とする。

「ま・・・待って!それって・・・今日?」
「そうだよ。」

 慌てて彼の腕から逃れようとする小枝子の身体を捕えて、聖凛は不敵な笑顔を見せる。
 今までだって、常にその可能性はあったには違いないが、完全に危険日だと知っているのではやはり違う。

「もう遅いって、小枝子。」
「だ・・・だって・・・っ、ダメ!・・・まだ、そんなのっ」
「どうせ、俺から逃げられはいないんだって。自覚ある?」

 小枝子は頬がかああっと赤くなったことを自分で感じる。

「・・・で・・・でもっ・・・まだ・・・」
「まだ?」
「・・・だ、だって、まだ卒業してないし・・・」
「別に構わないよ。しかも、妊娠してたって卒業は出来るって。」
「そんなの、やだぁ・・・っ」
「だから、もう遅いって。往生際が悪いね、君。」

 必死に暴れる小枝子を聖凛はため息をついて見下ろす。そして、今でもまだ彼女には逆らえない、不意にトーンの低い声でささやく。

「俺に逆らうんじゃないよ、小枝子。」

 身体がその声に反応して、小枝子は縛られたように動けなくなる。

「そう。良い子だね。」

 聖凛はもう濡れている小枝子の中に、まったく躊躇なしに押し入ってくる。それを受け入れる小枝子の身体は、確かに排卵の様相を示す愛液が溢れていた。

「やあぁっ、いやぁ・・・っ、ダメ!・・・んんっ・・・あ、あ、あぁ・・・っ」

 受け入れてはダメだと頭では理解していても、もう身体は彼を欲しがっている。精子を受け入れる態勢を万全に整えて迎え入れているのだ。身体の生理に、生命の賛歌に抗えるはずはなかった。

 とろけていくような下半身の感覚と、次第に白い光に満たされていく頭の中は、夜空に抱かれる月のように淡い光を放っているようだった。発光しているのではないかと思われるほどの熱と、それに呼応するかのような熱い官能の渦。

 早く、早くと小枝子の身体は彼に催促する。
 もっと、満たして。
 もっと狂わせて。

 何を叫んでいたのか、小枝子にはもう分からない。

 彼女の身体が欲しがっていたものを、子宮に向かって強く放たれたことを夢うつつに感じた。その、熱い息吹を。





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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

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