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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (桜) 82

 帰るの?と小枝子は彼を見上げ、聖凛の瞳が月のような青い光を宿していることに気が付いた。

「聖・・・んっ」

 不意にくい、と顎を持ち上げられて唇をふさがれ、小枝子は驚いて黙った。

 すぐに離してくれるかと思いきや、通行人の気配が近づいて来ても、聖凛はお構いなしだ。いくら暗くてよく分からないとはいえ、小枝子は人の気配に慌てる。しかし、もがいてみても彼の腕はびくとも動かない。やがて、数人の人々が二人に近づき、それまで聞こえていた話し声が一瞬止んだ。そして、二人の脇を通り過ぎたあと、通行人はひそひそと何かを囁きあいながら去っていく。

 聖凛の腕から逃れようと、小枝子が必死でもがくうちに、彼の手は、小枝子のスカートをたくしあげ、下着の中に入っていく。

「んん~っ」

 その腕を押さえようと手に力をこめてみるが、既にもう身体に力が入らないことに小枝子は気付く。迷いもせず、聖凛の手は小枝子の濡れ始めている場所を正確に捕えて愛撫を始めた。

「・・・や・・・っ、ダメ、聖凛・・・やめて・・・っ」

 唇を解放して、聖凛は小枝子の身体を桜の幹に押し付け、腰を抱く。手はその間にも責めを休まずに蜜を誘い続けている。

「やあ・・・っ、あぁ、・・・くぅぅっ、や・・・め・・・っ」

 人目を気にして、声を出すのをはばかられ、小枝子は苦しそうに喘ぐ。聖凛の青い瞳は、怪しい光を帯びて熱く揺れていた。

 片足を持ち上げられたと思った瞬間、するりと下着を片方外され、そして、聖凛がベルトを外す気配がした。その次の瞬間、小枝子の中に、ずい、と彼が入ってくる。

「あっ、くぅ・・・っ、あ、あぁ・・・」

 小枝子の腰を自分の方に思い切り引いて、聖凛は、小枝子の中を奥まで進む。そして、もう、言葉もない小枝子の唇をもう一度ゆっくりとふさいでいった。

 遠目には、ただ抱き合っているようにしか見えないかもしれない。しかし、小枝子は羞恥で頭の中が真っ白だった。もう、誰も通らなければ良いと、ただひたすら祈る。

 立ったままでの行為は、精神的な興奮と相まって、更に官能的に中を刺激する。聖凛が腰を動かす度に、いつもよりもずっと熱くて重い官能が突き抜ける。声を出したら誰かに聞かれることが分かっているので、小枝子は必死に声を押し殺す。聖凛の背中にしがみついて、なんとか耐えようとする。

「今日は、随分締めるじゃない?小枝子。」

 唇を離して、聖凛は小枝子の羞恥心を更に刺激する。

「もっと乱れてご覧?どうせ、君を知っている人なんて誰もいない。構うことはないよ。」

 小枝子の耳元に熱い息を吹きかけるように聖凛は低い声でささやく。

「・・・だ・・・だめ・・・っ、あぅっ・・・あ、あぁぁ、いや・・・っ、許して・・・っ」

 暗がりでは分からない。しかし、小枝子は耳まで真っ赤に染めて哀願する。顔を伏せて声を殺そうとしても、突き上げる官能には逆らえなかった。

「そうやって、耐えているといつまでもイケないよ?小枝子。良い子だから、もっと素直に感じてご覧?」

 悪魔のようなささやき。そして、じっくりとじらすような聖凛の動き。小枝子は次第に何も見えず、何も聞こえず、すべての感覚は、彼女の中で暴れる熱い熱に注がれていく。

「い・・・やっ・・・あぁ、あ、あぁあっ、あ・・・あぁっ」

 遠くに人の気配がする。小枝子はぼんやりとそれを感じたが、もう、熱く狂っている身体には制御など出来なかった。

 人の近づく気配。
 熱く溶けている彼女の中は、その熱が次第に勢いを増し、どんどん燃えていく。

 近づいてくる人が、二人の気配に気付き、そして、声をあげる小枝子の様子に気付き、ぎょっとしたように足を止めている。

 もう、熱の勢いは止まらない。小枝子は諦めて身を任すしかない。そして、遂にそれは背筋を駆け抜け、頭上を突き抜けていく。全身が痙攣し、頭に白い閃光が走った。

 小枝子が絶頂を迎えて叫ぶ様子を、通行人は、少し離れてじっと見守っていた。
 がくがくと足から力が抜け、小枝子は聖凛の腕に崩れ落ちる。
 それを支えるように抱きしめて彼は太い桜の幹に寄りかかった。二人の熱い息遣いが闇夜の静寂に響く。

 茫然としていた通行人は、無言で二人の脇を歩き去る。通り過ぎる瞬間、ちらりと視線を感じた気がしたが、小枝子には、もう、どうでも良いことだった。



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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

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