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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (守護) 79

「可哀想に、小枝子。・・・俺に見つけられなければ、平穏な人生を送れて、もっと優しく抱いてくれる男に巡り会えたかもしれないのにね。」

 虚ろにまどろんでいる小枝子の肩を抱き寄せて、聖凛はその胸にそっとキスを落とす。

「・・・違う・・・。」

 小枝子は言う。かすれた囁き声だったが、それは、小枝子の声であってもその口調は小枝子のものではなかった。聖凛はぎょっとして彼女の顔を見つめた。それまで虚ろだった瞳に、澄んだ、凛とした光が宿っている。

「見つけたのは、私よ・・・。」

 とても、優しい光を宿して、その瞳は言う。そして、次の瞬間、ふっとその光は消え、小枝子は目を閉じた。

「・・・小枝子?」

 聖凛の声は震えた。心臓が音を立てて、小枝子を抱く手に汗がにじんだ。彼女は、すうすうと規則正しい呼吸を繰り返すのみだ。

 聖凛は、もう何も言わず、その細い身体を抱きしめた。



 憎んでいる。
 だけど、憎んでいるのと同時に、本当は強く求めているのだ。
 愛して欲しい、と。



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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

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おおう…!

今日はここまで!

ついに小夜子覚醒か!?
気になるところであります…!
#586[2011/11/19 09:26]  有村司  URL 

Re: おおう…!

有村司さん、ここまでいらっしゃいましたか!
ちょっと休憩して、また進む…感じのところですかね。
しかし、無駄に長いのは…きっと理由があったんだろうな…。(誰のことだよ(--;)
#588[2011/11/19 10:32]  fate  URL 

>憎んでいる。
>だけど、憎んでいるのと同時に、本当は強く求めているのだ。
>愛して欲しい、と。

↑これぞ、愛と憎しみは同一のもの、と言われる所以ですねw
#2449[2012/09/24 15:32]  blackout  URL 

blackoutさまへ

blackoutさん、

> ↑これぞ、愛と憎しみは同一のもの、と言われる所以ですねw

↑↑↑そうですねぇ。
愛がなければ、憎しみも生まれないと思うので~
だって、嫌いな相手に対しては単に関わって欲しくないもん。そいつがどこでどうなろうとどうでも良いし、幸せになっても不幸になってもあんまり関係ない。fateに迷惑掛からなきゃ良いだけ~
#2456[2012/09/24 21:44]  fate  URL 














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