その後の一週間、学期が始まるまで、結局、聖凛は小枝子の部屋にずっと滞在していた。
何度か隆一から電話が入ったが、背後で聖凛が聞いているため、小枝子は慎重に言葉を選んで当たり障りのない会話をしていた。図書館にも学食にも小枝子は一切出かけずに、求められるまま聖凛に身体をあずけ、彼の腕の中で日々を過ごした。
小枝子が素直に聖凛に従っている間は、彼のセックスも穏やかで、失神するまで続けられたり、狂いそうなほどじらされたりということはなく、ただひたすら甘い絶頂を味わう毎日だった。
毎日抱かれても、それが身体の負担にならずに、お互いが満足するやり方を、聖凛は心得ているらしい。
小枝子の体調も、そして、感じる部分も、すべて把握している彼には容易いことなのだろう。
つまり、それまでの暴力的に辛いセックスは、逆らえなくすることを目的に、彼の支配を彼女の身体に教え込むためのものだったのだろう。
彼の腕の中に溺れそうになりがらも、そういうことを冷静に思うとき、小枝子は一つ気が付いて愕然とする。
では、彼は、逆に、小枝子をその精神状態、肉体状態、共に壊してしまおうと思えばそれは可能なのだ、ということ。
たとえば、小枝子がまた隆一に会ったりするようなことがあれば・・・。
たとえば、彼の目を盗んで聖凛の過去をさぐるようなマネをすれば・・・。
小枝子はそこまで考えて、心底、ぞっとする。
聖凛は、自分を完全に支配下に堕とすためになら、きっとどんな手段も厭わないだろう・・・。
何度か隆一から電話が入ったが、背後で聖凛が聞いているため、小枝子は慎重に言葉を選んで当たり障りのない会話をしていた。図書館にも学食にも小枝子は一切出かけずに、求められるまま聖凛に身体をあずけ、彼の腕の中で日々を過ごした。
小枝子が素直に聖凛に従っている間は、彼のセックスも穏やかで、失神するまで続けられたり、狂いそうなほどじらされたりということはなく、ただひたすら甘い絶頂を味わう毎日だった。
毎日抱かれても、それが身体の負担にならずに、お互いが満足するやり方を、聖凛は心得ているらしい。
小枝子の体調も、そして、感じる部分も、すべて把握している彼には容易いことなのだろう。
つまり、それまでの暴力的に辛いセックスは、逆らえなくすることを目的に、彼の支配を彼女の身体に教え込むためのものだったのだろう。
彼の腕の中に溺れそうになりがらも、そういうことを冷静に思うとき、小枝子は一つ気が付いて愕然とする。
では、彼は、逆に、小枝子をその精神状態、肉体状態、共に壊してしまおうと思えばそれは可能なのだ、ということ。
たとえば、小枝子がまた隆一に会ったりするようなことがあれば・・・。
たとえば、彼の目を盗んで聖凛の過去をさぐるようなマネをすれば・・・。
小枝子はそこまで考えて、心底、ぞっとする。
聖凛は、自分を完全に支配下に堕とすためになら、きっとどんな手段も厭わないだろう・・・。
- 関連記事
-
- アダムの息子たち (嫉妬) 68
- アダムの息子たち (嫉妬) 67
- アダムの息子たち (嫉妬) 66
スポンサーサイト
もくじ
紺碧の蒼

もくじ
真紅の闇

もくじ
黄泉の肖像

もくじ
『花籠』シリーズ・総まとめ編

もくじ
花籠

もくじ
花籠 2

もくじ
花籠 3

もくじ
花籠 4

もくじ
花籠 外伝集

もくじ
儘 (『花籠』外伝)

もくじ
ラートリ~夜の女神~

もくじ
光と闇の巣窟(R-18)

もくじ
蒼い月

もくじ
永遠の刹那

もくじ
Sunset syndrome

もくじ
陰影 1(R-18)

もくじ
陰影 2

もくじ
虚空の果ての青 第一部

もくじ
虚空の果ての青 第二部

もくじ
虚空の果ての青 第三部

もくじ
虚空の果ての青(R-18)

もくじ
アダムの息子たち(R-18)

もくじ
Horizon(R-18)

もくじ
スムリティ(R-18)

もくじ
月の軌跡(R-18)

もくじ
ローズガーデン(R-18)

もくじ
Sacrifice(R-18)

もくじ
下化衆生 (R-18)

もくじ
閑話休題

もくじ
未分類
