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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (嫉妬) 66

 ゆっくり目を開けて、小枝子はそこが自分の部屋のベッドだと気が付いた。服を着たまま、毛布が掛けられていた。

「・・・あれ?・・・どうして?」

 声に出して呟いて、人の気配にはっとしてそちらに視線を向ける。そして、そこにいるのが聖凛だと分かって、小枝子は何故かほっとした。彼は、いつかそうしていたように、同じフォルムで壁に背を預けて立っていた。

「桜庭と、何をしていたんだ?」

 聖凛の低い声にぞっとして、小枝子は身体を起こす。そして、やっと思い出した。意識が飛んだいきさつを。

「・・・ごめんなさい。」
「なんで、謝るの?俺は、聞いているんだよ。」

 どこまでもトーンの低い彼の声。小枝子は静かな彼の瞳に背筋が凍りつく。

「・・・話しがあるって、呼び出されて・・・」
「どうして、応じたりした?」
「・・・ごめんなさい。」

 小枝子の声は消え入りそうだった。

「今後、一切、あいつには近づくな。」

 聖凛は、ただ、静かにそう言い放つ。小枝子は慌てて頷いて、見上げた彼の、少し傷ついたような瞳にどこか不安になった。それはまるで、彼が今まで見せたことのないような気弱な表情だった。

「あいつを、・・・好きなのか?」

 少し苦しそうに、吐き出すように、聖凛は小枝子から一瞬視線をそらした。あまりに意外な問いに、小枝子は驚いて言葉を失う。

「・・・違う。」

 沈黙が怖くて、小枝子はやっとそれだけを言った。いろんな想いがぐるぐると脳裏を駆け巡る。

「私は・・・」

 私は、何だと言うのだろう?
 小枝子は、言葉を探して心は彷徨う。

 確かに隆一はいつでも小枝子に対して親切だった。だけど、隆一と会ったことに寄って、自分は何か得ただろうか?

 あのとき、隆一に掴まれたときに感じた焼け付くような痛みに、小枝子は覚えがあった。それまでにも、実は何度かそういう目に遭っていたのだ。

 だから。
 だから、彼女は人と関わることが怖くなっていたのだ。

 幼い頃には、それはピリッと電気が走る程度の衝撃だったそれは、年齢を重ねる毎に焼け付くような痛みへと変わっていった。

 その恐怖ゆえに、無意識に男性を避けるようになっていたのだ。
 つまり、小枝子の身体に刻まれたあの紋様は、聖凛に出会ってから彼が施したものではない、ということだ。

 小枝子が様々な思いに揺れている間に、聖凛は、何かを吹っ切ったようにふうっと大きく息をついた。そして、先ほどまでの傷ついた少年の顔は陰を潜め、不意に、いつもの冷徹な支配者の表情で小枝子をまっすぐに見つめた。そして、女の子なら誰でも見惚れるような独特の笑顔を作って、言った。

「逃がさないよ、小枝子。君は俺のものだ。」

 その豹変に驚いている小枝子にゆっくりと近づいて、聖凛は冷たく微笑む。

「改めて教えてあげるよ。自分の分をわきまえていられるようにね。」

 青ざめる小枝子を冷徹な光を宿した瞳で見下ろし、聖凛はそっとその頬に手を触れる。怯えて俯く小枝子の髪をぐい、と引っ張り、上を向かせると、ゆっくりとその唇に舌を這わせる。悲鳴すらあげられずに、小枝子はその乱暴な愛撫にただ耐える。

 ブラウスを、それからスカートの裾をまくりあげて聖凛の手は下着の中にそれぞれ侵入していく。そして、器用に下着を外しながら、彼女の身体をベッドへと押し倒していった。

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