FC2ブログ

Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (警告) 62

 そして翌日、なんとなく、釈然としない疑問を残したまま、小枝子はアパートへと戻った。
 まだ、冬休みはあと一週間残っていた。

 隣の奈々子は、まだ実家なのか、それとも友人や彼と遊んでいるのか、部屋は静かだった。
 荷物を解いていると、不意に部屋の電話が鳴った。ここの番号を知っているのは、学校の事務と実家だけなので、小枝子はあまり何も考えずに受話器を取る。

「あ、金城さん?帰ってたんだ。」

 どこかで聞いたことのある声が嬉しそうに受話器の向こうから聞こえた。

「・・・あの、どちら様でしょうか?」
「ああ、ごめん、ごめん、桜庭です。この番号は事務から聞き出しました。突然でごめんなさい。明日、ちょっと会えますか?」

 彼の屈託なく明るい声に、小枝子は戸惑う。

「あの・・・どうしてですか?」
「うん、ちょっと聞きたいこととか、あと、僕から提案事項もあるし。」
「・・・何でしょうか?」
「うん、出来れば、直接顔を見て話したいんだ。明日から学校は開くから、学食でも良いんだけど。」

 警戒しているらしい小枝子に気遣って、隆一は苦笑する。

「でも・・・」
「いや、本当に話したいことがあるだけだよ。お昼をごちそうするからさ、と言っても学食のメニューだけどね。」
「・・・分かりました。お昼に伺います。」

 小枝子は仕方なくそう言って、電話を切った。

 変な誤解をされる前に聖凛に連絡を入れた方が・・・?と考え、彼の連絡先も何も分からないことを思い出し、小枝子はため息をつく。

 出来るだけ、二人きりにならないような状況にしよう、と彼女は思った。
 隆一は、するりと小枝子の心に入り込んでくる。

 危ない・・・と彼女は警戒する。
 好きになりそうで?
 いや、違う。
 なんだろう?
 
関連記事
スポンサーサイト



もくじ  3kaku_s_L.png 紺碧の蒼
もくじ  3kaku_s_L.png 真紅の闇
もくじ  3kaku_s_L.png 黄泉の肖像
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 2
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 3
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 4
もくじ  3kaku_s_L.png 花籠 外伝集
もくじ  3kaku_s_L.png 蒼い月
もくじ  3kaku_s_L.png 永遠の刹那
もくじ  3kaku_s_L.png Sunset syndrome
もくじ  3kaku_s_L.png 陰影 2
もくじ  3kaku_s_L.png Horizon(R-18)
もくじ  3kaku_s_L.png Sacrifice(R-18)
もくじ  3kaku_s_L.png 閑話休題
もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
  ↑記事冒頭へ  
←アダムの息子たち (魂の叫び) 61    →アダムの息子たち (警告) 64
*Edit TB(0) | CO(0)
ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

~ Comment ~















管理者にだけ表示を許可する

~ Trackback ~


  ↑記事冒頭へ  
←アダムの息子たち (魂の叫び) 61    →アダムの息子たち (警告) 64