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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (怒り) 43

 加賀見の研究室から出てきたとき、小枝子は悲鳴をあげそうになって、慌てて口を押さえた。
 聖凛が、そこにいたのだ。

 研究室の扉は少し開いたままになっていた。加賀見が、女学生と二人きりになることに気を使って、開けたままにしていたのだ。

 どこから聞かれたていたんだろう?
 地面からじわじわと冷気が立ち上ってくるような錯覚を得て、小枝子は立ちすくんだ。

 青ざめた怒りの色を宿した瞳で、聖凛は薄く笑った。

「小枝子、今日はまっすぐ部屋へお帰り。」

 そう言い残して彼は去り、小枝子は恐怖のどん底に突き落とされたのだ。



 その日、聖凛は小枝子の部屋の前で彼女の帰宅を待っていた。

 彼の姿を部屋の前に発見した途端、小枝子はどこかでそれを分かっていた気がした。そして、凍り付いて動けなくなって彼女を、聖凛は有無を言わさず中へ引き込んだ。

 声をあげる間も、なかった。




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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

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