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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (呪印) 38

「ねえ、聞いて良い?」

 奈々子はそっと言った。

「聖凛が、朝方、部屋を出てきたってことは、それまでの時間、何もなかった訳じゃ・・・ないよね?」
「・・・うん。」
「それ、って付き合ってる・・・ってことじゃないの?」

 奈々子は箸を握ったまま、声をひそめる。

「遊んでる子には、全然そうは思わないけど、小枝子ってすごく真面目じゃない。きちんとした付き合いじゃない限り、身体までは許さないでしょう?」

 瞬間、小枝子は放心したように動きが止まった。そして、ひどく傷ついたような瞳をして泣きそうな笑顔を作った。

「そうだね。」

 悪気のない奈々子の指摘は、小枝子の心を打ちのめした。
 それでは、自分のしていることは何なのか・・・?

 どこにも辿り着かない、何も実らない、不毛で悲しい関係だ。聖凛は、抱きたいから抱いているのですら、ない。別の目的のための手段に過ぎない。そういう気がした。

 ‘愛しているからじゃない。’
 それを、明確に突きつけられた。



 まったく避妊してくれるつもりはない聖凛だったが、小枝子は生理は毎月、順調だった。予定通りに生理が始まって、いつもほっとするのだが、もし、妊娠したら・・・、それを告げたら、聖凛はどんな反応を示すのだろうか。

 そして、小枝子自身、いったいどうしたいのだろう?このまま流されたままで良いのだろうか?
 聖凛の手から逃れて、普通の恋愛をしてみたいのか?
 それとも、彼に本当の意味で愛されたいのか?

 ・・・まったく、分からなかった。



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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

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