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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (帰郷) 24

 気が付くと、そこには‘男’の幻が浮かんでいた。
 真っ黒なフードから覗く暗い瞳。

「聖凛・・・?」

 そう呟いた自分の声に我に返り、はっとする。玉砂利の冷たさを頬に感じ、小枝子はゆっくりと身体を起こす。
 意識を失っていたのは、ほんの一瞬だったようだ。
 小枝子は、ゆっくり立ち上がって、服を払い、周りを見渡した。
 何も、変わったことはなかった。



 結局、ほとんど何も、得られることはなかった。むしろ、混乱が深くなっただけだったかもしれない。

 分かったのは、あの夢が、恐らく現実にあったことをモチーフに綴られていたという事実くらいなものだ。そして、それにまつわる何かを思い出すことを、彼女が恐れているということだ。

 つまり・・・、と小枝子は思う。
 もしかして、鍵は、私の記憶の中にあるのかもしれない・・・。

 小枝子は日曜日の朝、変に落ち着かない重い心を抱えて、アパートへ戻るしかなかった。



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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

~ Comment ~


聖凛は幼いころの小枝子に会ってるんですね。
曾祖母との間何があったのか。
聖凛は小枝子に、本当はどんな感情を持っているのか。
気になって仕方ないです。

神社、神、巫女、この世界感は、なぜか惹きつけられるモノがありますね。
お寺に行った時よりも、神社に行った時の方がぐっと来るのは、日本人の血なのでしょうか。

信心深くない私ですが、まだ日本が今の様式になっていない古い時代、きっとそこには神々が普通にいたような気が・・・するのは、妄想でしょうか。

神も、呪縛も、聖凛の中にある奇妙な遺伝子も、理屈抜きでリアリティを持って、物語に入り込めます

しかし・・・・なんだか聖凛って、孤独ですね。
正体もまだ分からないけど、すっごく孤独な気がします。何でだろう。

#305[2011/11/01 19:45]  lime  URL  [Edit]

limeさまへ

limeさん、鋭いコメントありがとうございます!

> 信心深くない私ですが、まだ日本が今の様式になっていない古い時代、きっとそこには神々が普通にいたような気が・・・するのは、妄想でしょうか。

↑↑↑これは、fateも感じます。特にもっとデカイ自然に接したとき、神の存在のような或いは‘精霊’とか‘妖精’とか表現されるモノが、恐らく日本では神々だったのだろう、と。
八百万の神がいたのが日本ですから、あらゆる自然に、現象の中に、神はそんざいしていたし、今も存在していると信じます。登山するときは、ふもとで本気で祈ります。
「これから山に立ち入らせていただきます」と。
でも、巫女の仕事とか呪印とかって、fateのでっち上げですので(^^;

> しかし・・・・なんだか聖凛って、孤独ですね。
> 正体もまだ分からないけど、すっごく孤独な気がします。何でだろう。

↑↑↑おお! すごいです!!!
聖凛の抱くテーマはズバリ、孤独です。
なんか、もう最後まで読んでいただかなくても良いくらい、limeさんには伝わってますねぇ…
いやぁ、嬉しいです(^^)
でも、出来れば最後までいって欲しい~
#308[2011/11/01 20:07]  fate  URL 

ううーむ…

結局「目に見えるところ」には手がかりは無し…ですね。
鍵は記憶の中…ですか。
小夜子ちゃんには、鍵を解き明かす前にすごい難行苦行が待ち構えていそうです。
愛のない交わりは最悪でしょうから…。

セイリンは、彼女に何を求めているのでしょう?
彼にとっては永遠に手に入らないものを求めて…そうですね、まるで子供が焦れているようなあせりを感じるのですが…。

あっと、R18表記ありましたね!
気づかずに失礼しました!
#547[2011/11/16 13:54]  有村司  URL 

Re: ううーむ…

有村司さん、コメントにドキッといたしました~
ヤバいヤバい!
何気にちょっとびっくりです。
わはは。
でも、これ以上は言わんどきます、ネタばれるので(^^;
相変わらず日本語が不自由ですが、すみません、ご容赦を!

#550[2011/11/16 20:09]  fate  URL 














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