聖凛の気配が部屋の中から消えたことに気付く頃、小枝子はようやく頭がはっきりしてきた。
朝の光の中で見る聖凛は、大学構内で見かける彼と変わりがないように感じた。
聖凛は、一見すると、顔立ちの綺麗なだけの普通の学生に見える。あの、ぞっとする冷たい目は、今ではこの部屋の中で、小枝子を抱いている間だけのものになっていた。教授の受けも良くて、頭の回転が早い、彼は多くの女性の注目を集めるタイプの学生だった。
彼の本性を知っているのは小枝子だけで、これだけは、決して誰とも分かちあえない恐怖だ。
今でも、まだ何がなんだかよく分からない。
彼の憎しみ、そして・・・。
戸惑いのようなものを感じたのは気のせいだったのか?
自分を陵辱することで、彼は満足するのだろうか?
・・・違う、と思った。いや、思いたいだけなのか・・・。
巫女だった小枝子の曾祖母。
確かにそんな話しをずっと昔聞いていた。しかし、もう後継者がいなくて、昔彼女がよく遊びに訪れた神社も、他の家で管理されているとそんな話しだった。
小枝子の祖母も、そして娘である母親も、巫女の力は受け継いでいなかった。
そして、当然、小枝子にもそんなものはない。
だけど、何か・・・その家系そのもの・・・そんなところに鍵があるのかもしれない。
小枝子は、入学式以来帰ってない実家へ戻って、曾祖母のことを調べてみようと思った。
次の新月までに。
そうすれば、何か方法が見つかるかもしれない。彼の手から逃れるための・・・。
朝の光の中で見る聖凛は、大学構内で見かける彼と変わりがないように感じた。
聖凛は、一見すると、顔立ちの綺麗なだけの普通の学生に見える。あの、ぞっとする冷たい目は、今ではこの部屋の中で、小枝子を抱いている間だけのものになっていた。教授の受けも良くて、頭の回転が早い、彼は多くの女性の注目を集めるタイプの学生だった。
彼の本性を知っているのは小枝子だけで、これだけは、決して誰とも分かちあえない恐怖だ。
今でも、まだ何がなんだかよく分からない。
彼の憎しみ、そして・・・。
戸惑いのようなものを感じたのは気のせいだったのか?
自分を陵辱することで、彼は満足するのだろうか?
・・・違う、と思った。いや、思いたいだけなのか・・・。
巫女だった小枝子の曾祖母。
確かにそんな話しをずっと昔聞いていた。しかし、もう後継者がいなくて、昔彼女がよく遊びに訪れた神社も、他の家で管理されているとそんな話しだった。
小枝子の祖母も、そして娘である母親も、巫女の力は受け継いでいなかった。
そして、当然、小枝子にもそんなものはない。
だけど、何か・・・その家系そのもの・・・そんなところに鍵があるのかもしれない。
小枝子は、入学式以来帰ってない実家へ戻って、曾祖母のことを調べてみようと思った。
次の新月までに。
そうすれば、何か方法が見つかるかもしれない。彼の手から逃れるための・・・。
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