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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (虜) 19

 聖凛の気配が部屋の中から消えたことに気付く頃、小枝子はようやく頭がはっきりしてきた。
 朝の光の中で見る聖凛は、大学構内で見かける彼と変わりがないように感じた。

 聖凛は、一見すると、顔立ちの綺麗なだけの普通の学生に見える。あの、ぞっとする冷たい目は、今ではこの部屋の中で、小枝子を抱いている間だけのものになっていた。教授の受けも良くて、頭の回転が早い、彼は多くの女性の注目を集めるタイプの学生だった。

 彼の本性を知っているのは小枝子だけで、これだけは、決して誰とも分かちあえない恐怖だ。
 今でも、まだ何がなんだかよく分からない。
 彼の憎しみ、そして・・・。

 戸惑いのようなものを感じたのは気のせいだったのか?
 自分を陵辱することで、彼は満足するのだろうか?
 ・・・違う、と思った。いや、思いたいだけなのか・・・。

 巫女だった小枝子の曾祖母。

 確かにそんな話しをずっと昔聞いていた。しかし、もう後継者がいなくて、昔彼女がよく遊びに訪れた神社も、他の家で管理されているとそんな話しだった。

 小枝子の祖母も、そして娘である母親も、巫女の力は受け継いでいなかった。
 そして、当然、小枝子にもそんなものはない。

 だけど、何か・・・その家系そのもの・・・そんなところに鍵があるのかもしれない。
 小枝子は、入学式以来帰ってない実家へ戻って、曾祖母のことを調べてみようと思った。  

 次の新月までに。
 そうすれば、何か方法が見つかるかもしれない。彼の手から逃れるための・・・。




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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

~ Comment ~


一応ここまで

こんにちは。
昨日はありがとうございました。

ふとタイトルに惹かれ、「イヴの息子たち」に関係あるのかなぁ、なんて軽い気持ちで読みはじめました。

いやいやいや、すごいですね。
こういうのってとっても描写がむずかしくて、私にはとうてい書けないから投げてますけど、それだけに感心して読ませていただきました。

これもかなりR18じゃありません?
引き比べて私の書くものはいたってフツーです。
そんなんでもよろしければ、読んでいただけると嬉しいです。
こちらの続きも楽しみに読ませていただきますね。
#42[2011/09/28 11:43]  あかね  URL 

Re: 一応ここまで

コメントありがとうございます!

> ふとタイトルに惹かれ、「イヴの息子たち」に関係あるのかなぁ、なんて軽い気持ちで読みはじめました。

↑↑↑「イヴの息子たち」とはもしや青池保子のでしょうか???
ご存じなんですか?(違ったりして…)
もし、そうであれば、fateは「エロイカ~」とか「アル・カサル~」とか今でも好きです(^^)
「イヴの息子たち」って、何故にその題???と当時悩んだ気がします(^^;

> これもかなりR18じゃありません?

↑↑↑はい、そうなんです…。
小説サイトで初めて『官能』ジャンルの作家さんの作品を拝読させていただき、それまで、男性目線の‘男の妄想’に辟易し、数行読んだだけで閉じておりましたが、女性作家さんの作品に衝撃を受け、こういう表現法があったのか!!!といろいろ参考にさせていただき(いや、ほとんど盗んだに近いです…)、官能シーンは自分の作じゃないじゃん、という状況での第一作が「アダム~」でした。
 その当時描いた世界は、『官能』手法の練習(?)的なものだったので、『官能』を使う意味ある?という内容のものもけっこう生まれて、今、同じ内容でジャンルを現代文学系に戻して(つまり、官能シーンを除いて)加筆修正しているものが何作かあります(^^;
 これは、ほぼそのまま転載してしまいましたが。
 特にこれは、訳も分からずの使い方で、かなりR指定キツイかと思われます(・・;なんだか、ジャンルを指定したプレッシャーで、どの程度そういうシーンを盛り込むべきかまったく分からなかったので。)
 すみません。
 ちょっと、赤面状態です…(・・;

 R指定作品でも、「サードゥ」とか「光と闇の巣窟」などは、軽い方です。こちらは最近の作品なので、時間と共に使い方が少しは分かるようになってきたようです(^^;

 すみません、マジでちょっと恐縮です…。

#43[2011/09/28 12:51]  fate  URL 

なんだろうなあ、酷いことしてると分かってるのに、聖凛をそんなに憎めない。
小枝子ごめん。
きっとfateさんが彼を憎く思ってないからでしょうね。
それは、他の作品にも共通することですが。
性描写が清潔だからということもあるんでしょう。
男性目線のRは嫌いですが、fateさんのは美しいです。
(ちょっと問題発言かな^^いいですよね)

fateさんの描く男たち。それぞれがどこへ向かうのか。
昇華するのか、破滅するのか、それを見届けたい想いが、一番強いです。
ああ、女の子たち、ごめん!
limeも変な奴なんです。きっと。(「も」って、なんだ)
#277[2011/10/30 13:43]  lime  URL  [Edit]

limeさまへ

limeさん、超!嬉しいコメントありがとうございます。
小説サイトに、雨美しずくさんという官能ジャンルの達人的な方がいらっしゃいますが、彼女の作品も、やはりかなり酷い…という男性が出て来ても、結局彼を憎めない、って感じになります。
悪役を悪役に堕としてしまえない方です。
恐らく、それって、もともと彼女がその人物を憎んでいないからなんだろう…とfateも感じておりました。
彼女の作品を拝読させていただくと、どこか流れるものがfateと似てるかもなぁ…という感慨を抱いたことがありました。

聖凛は、fate作品の原型ですね。
すべては彼から始まりました。
彼が、いろんなことを語りつくしてしまって、あとはワンパターンを生きているだけかも知れません。

これ、今更ですが、長いですね(^^;
言ってることはそれほどないのに、無駄なシーンが多過ぎるんだろうなぁ、と思います。
すみません、気長にお付き合いいただけると嬉しいです。

昇華するか、破滅するか!
おお!何やらゾクゾクする言葉をいただき、fateはちょっとテンションあがりました!
誰か破滅させてみようかな!
なんだか、嬉しいfateでした~(^^)

#280[2011/10/30 15:42]  fate  URL 

おお…

おはようございます。

美味しゅうございました!ごっつあんです!
…で帰るところでした(笑)

コレでR18ではないとすると、fateさまのR18とは…!?と小夜子じゃないですが戦慄してしまいます。
でも、彼女がちゃんと「考える女性」で良かった。
次回はルーツ探しですね。
#541[2011/11/16 10:09]  有村司  URL 

Re: おお…

有村司さん、いえいえいえ! これはばりばり<R-18>です!
ええ??? 警告忘れ??? とこちらも戦慄して見に行ったら、プロローグの端っこに一応お断りしております。
まぁ、目立たないですかね(^^;
今は、カテゴリの上下で分けております。
『永遠の刹那』を境目として、下半分、下に行けば行くほどヤバい系です。
これはね~…官能の使い方をよく分かってなかった初めて作品ですので、読み流してください、という感じです(^^;
ははは…

#542[2011/11/16 11:18]  fate  URL 

前回の「花籠」ラストでのfateさんのコメ返を読んで爆笑したあと、今度は「アダムの息子たち」を読ませていただくことになりました。(ああ…あの「花籠」で例の凄絶なシーンがあったら「もっと」、更に凄い作品になっただろうにな~。←まだ言うか!)


おお!
なんとなく「暗黒のファンタジー」を想起させられるようなプロローグ。
ちょっと、あしべゆうほさんの「悪魔の花嫁」を思い出しました。

いまのところ、聖凛のイメージは「悪魔」です(色っぽい悪魔だな~)。
でもlimeさん同様、私も彼を憎む感情は出てきてません。
小枝子を哀れむ感情も出てこないんだよな~。。。
(これがもし小枝子が少年だったらもっと違う展開になるんだろうな…などとけしからんことを考えている西幻です。。。あぁっ!また悪い病気が!(笑))

>昇華するか、破滅するか!

これは西幻も興味あるところです。
とりあえず?今まで読んだ作品ではラストで「昇華」はしていても、「破滅」はしていませんもんねぇ。もし破滅したらどうなるのか・・・


ちと話はずれますが、西幻も「エロイカより愛をこめて」、大好きです。
少佐~~っ!!
#882[2011/12/10 19:59]  西幻響子  URL  [Edit]

西幻響子さまへ

西幻響子さん、

> 前回の「花籠」ラストでのfateさんのコメ返を読んで爆笑したあと、今度は「アダムの息子たち」を読ませていただくことになりました。(ああ…あの「花籠」で例の凄絶なシーンがあったら「もっと」、更に凄い作品になっただろうにな~。←まだ言うか!)

↑↑↑おおおぉぉ! そ…そんな、fateを悶えさせないでくださいっ
やっと、少し‘変態'モードをoffにしつつあるのに…(←まぁ、完全にoffにしちゃったら、存在意義もなくなるけどな)!!
っていうか、おお! 爆笑してくださいましたか!
でも、fateは何が笑われたのか分からないっ
全部真面目だったんだもん(・・;

まぁ、良い。
一日の一時、誰かの爆笑モードのスイッチを入れられれば幸せさ(ふっ)。

> ちょっと、あしべゆうほさんの「悪魔の花嫁」を思い出しました。

↑↑↑そういえば、それのラストってどうなったかご存じですか?
fateは最終巻を読んだ覚えがない。結局、何か決着ついたのか???

> でもlimeさん同様、私も彼を憎む感情は出てきてません。
> 小枝子を哀れむ感情も出てこないんだよな~。。。

↑↑↑…段々分かってきたぞ。
limeさん一派とあかねさん一派と、ポールさん一派の違いが…。
ふふふふ。
この手のstoryをお勧めする読者さまの層を発見し、fateはテンションあがったぜぃ!
なんだ、じゃあ、気にせずもう一個のヤバい世界もupしちゃおうかなぁ。
へへへへ~(←怪しい! 怪しいぞ、fate! ポールさんじゃないけど自重しないと正体がバレるっ!!)
(もうバレてるって(--;)

> (これがもし小枝子が少年だったらもっと違う展開になるんだろうな…などとけしからんことを考えている西幻です。。。あぁっ!また悪い病気が!(笑))

↑↑↑もしかして、竹宮恵子さんとか…あの人!清水玲子、高河ゆん、河惣益巳さんなどお好きでした?
エロイカの少佐は今でも憧れというか理想ですな~(^^)

> >昇華するか、破滅するか!

↑↑↑いや、既にお分かりと思いますが、fateは甘いので、たぶん、無理です(何が?)。
どこかに‘救い'が欲しくなって、ちまちまとそういうラストを用意してしまうだす。
悪役ですら、徹底的な破滅に追い込めない。
それじゃ~、ハナシにならんだろう!!!
『光と闇の巣窟』のご感想で、そんなご意見をいただいたことがあり、そうか、読み手さんは、どこかでしっかりした決着が欲しいよな~…としみじみいたしました。
それもあって、あれは、Another story を描きました。

しかし、甘いっ
甘いぞ、fate!!
でもさ~、現実がこんなに世知辛いんだから、物語の中だけでも良い人だけで溢れさせたいじゃないか(←嘘つけ! 変態しか出てこないじゃないかっ!)(ウルセ~っ!!!)
#883[2011/12/11 08:39]  fate  URL 














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