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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (絶望) 14

 ほのかに好きになった人はいた。片思いに胸を焦がしたことも。

 でも、小枝子はまだ本当に好きになって付き合った男性はいない。告白されたことはあったが、学校が別になったらあっさり終わってしまった。

 キスもまだ唇に軽く触れる程度のものしか経験がなかったし、まして、男に身体を触られたことなどなかった。女の子同士でも裸を見せ合ったこともない。

 何もかも、本当に初めてだったのだ。

 本格的なキスも、男の手に寄る愛撫も、身体をつなぐことの意味すらほとんど分かっていなかった。自分の身体がセックスに寄ってどうなるのか、その痛みもイク感覚も、何も知らなかった。

 セックスをした・・・んじゃない。
 ただ、陵辱されたのだ。
 好きなように弄ばれ、汚された。

 ぼんやりしていた頭に、やっとマトモな思考が戻ってくるにつれ、次第にはっきりしてくるのは‘絶望’と‘悲しみ’と‘憤り’、そして‘恐怖’だけだった。

 何より、寒くもないのに身体ががくがくと震えてくるほど、怖かった。
 彼の瞳の冷たさは、ずっとずっと感じ続けていた。
 殺したいほど憎いと、ささやかれ続けているようだった。
 涙は次々と溢れ、零れ落ちていく。床に水溜りが出来そうなほどだった。



 やっと落ち着いて、洗濯をしたりシャワーを浴びたりする気になったのは、夕方になってからだった。
 のろのろと服を着て、小枝子はシーツを洗う洗濯機の音を聞いていた。
 呪いのように、重い重い音だった。



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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

~ Comment ~


セックスと陵辱…

共通点
互いの内に入り合う行為

相違点
その行為に、愛があればセックス・憎しみがあれば陵辱
双方向的か一方的か

ふと、考えてみたりしましたw
#2437[2012/09/23 02:10]  blackout9999  URL 

blackout9999さまへ

blackout9999さん、

なるほど~。
あんまり、そういう具体的なことは考えなかったなぁ。
愛と憎って表裏一体だから。
むしろ、憎しみもなく相手を陵辱する行為には嫌悪を抱く。相手は誰でも良いってやつの類だな。

これは物語世界だから何でもありで、許されちゃってるけど、まぁ、物語世界だからこそここまで描ける。
まだ序盤なんで、あんまりなんだかんだ言うのは避けますが(^^;(すぐにネタバレ炸裂しちゃう)
何故か女性読者さま達には聖凛は人気者でした~(何故だ? 顔が良ければ何でも許されるのかっ!!!)

#2439[2012/09/23 06:56]  fate  URL 














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