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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (罠) 3

 小枝子は、通うには遠いその短大に入学するのと同時に、大学の近くにアパートを借りていた。そのアパートは、その短大の学生、しかも女性だけがすべての部屋を占めている、ある意味寮に近い感じだったので、両親が安心して契約してくれたのだ。

 そこの学生たちはしょっちゅう飲みに出かけていて、小枝子もよく声を掛けられる。しかし、お酒に弱い彼女は、滅多に仲間に加わることはなかった。

 しかし、ある金曜日の夜、予定されていたメンバーが突然5人ほど抜けてしまい、予約席の確保が難しくなってしまったので、どうしても、と泣きつかれ、小枝子は渋々出かけることを約束してしまう。

 男女混合のいつもの飲み仲間だった彼らは、他にも手当たりしだい声を掛けて歩いているようだったが、大抵の学生はバイトやすでに他の予定が入っていたりで、なかなか人数確保は厳しそうな様相だった。

「お願い、最初に顔を出すだけで良いから。」

 アパートの隣の部屋の子に頭を下げられて、小枝子は諦めて頷いた。

 そのとき、またも視線を感じてぎょっとして振り返ると、いつもの男が同じように彼女を見ていた。小枝子は、本当に心の底からぞっとした。しかし、彼は小枝子に何をしているわけでもないので、それほど親しい友人のいない彼女は誰に相談して良いのかも分からない。

 小枝子はただ、その場を走って逃げ出す以外、出来ることはなかった。



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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

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