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Stories of fate


アダムの息子たち(R-18)

アダムの息子たち (プロローグ) 1

<※:R-18>

~異形の神の子~

 聖書から抹消された異端の神の子孫がいた。
 アダムが自らの子孫と交わって生まれた人の形をした魔物。

 母親は誰の娘だったのか、もはや記録はない。その母親ごと、史実から消えてしまったのだ。

 その子どもは、美しい若者に成長し、一見するとどこもおかしなところのない普通の青年だった。ただ、彼はその姿から年をとらなかった。寿命が尽きて‘死’を迎える瞬間まで、彼の姿は若々しく、その心も若者のままだった。

 人々はその奇妙さを恐れた。
 羨望が渦巻いた。

 彼が生ませた子どももまた、成長して父親に負けない美しい青年となった。そして、彼もまたそれ以降年を取らずに死んでいった。

 その気味の悪い血筋は、そこで絶えたかに思われた。
 それで、史実からは抹消された。
 しかし、彼の子孫は秘かにその血を受け継ぎ続けていた。
 何千年も、脈々と。

 一つ不思議なことは、彼の子孫は、必ず男児しか生まれないということ。命を受け継ぐべき女児は決して誕生しない。故に、その一族の男たちは、外へ出て女性をさらって来なければならない。自らの命を受け継ぐ子宮を得るために。

 それは或いは、濃くなりすぎた‘血’が生んだ初めての遺伝病の類だったのかもしれない。遺伝子の重複や欠損など、老化のスイッチが入らない仕組みを得てしまった結果と、男性化を促すホルモンの過剰。

 それでも、そういう知識のなかった時代に、彼らは異端だった。生命の枠をはみ出た悪魔の使いと恐れられ、迫害を受けた。

 そうして、その一族は恨みを引き継いでいく。
 人々を呪い、憎み、同じ神の血を分けた子孫だったということを忘れていく。

 
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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[ファンタジー小説

~ Comment ~


こちらも、ワクワクするプロローグですね。
時間のあるときに、並行して読んで行きたいとおもいます^^

異形の神の子、呪われた遺伝子、不老の美青年。
どんなドラマが始まるのか、わくわく。

私の作品にも遺伝子を扱ったものがありますが、あの仕組みはなんとも神がかりで、ファンタジックで、何かの企みを感じますね。
まあ、生命そのものがもうすでに、何かの企みなような気もしています。
#194[2011/10/23 12:34]  lime  URL  [Edit]

limeさまへ

limeさん、コメントありがとうございます。
何やらいろいろコメント絡みでご迷惑をお掛けいたしました(^^;

> 私の作品にも遺伝子を扱ったものがありますが、あの仕組みはなんとも神がかりで、ファンタジックで、何かの企みを感じますね。
> まあ、生命そのものがもうすでに、何かの企みなような気もしています。

↑↑↑本当にそうですね。
これは神の意志がなくては完成し得ない神秘です。発生学を深く追求していくとどうしても、サムシング・グレートに出会うそうです。
それで、そういう‘神’の意思をを利用して、fateはけっこう解けない謎を神様のせいにして物語を進めます(^0^)

fateは基本、無宗教者なので、特定の宗教には加担しませんが、広く世界を支持していて(?)…とどのつまりは利用できるものは何でも利用します。
人間の本当は温かいもの、優しいもの、綺麗なものを描きたい、とおっしゃるlimeさんに共感いたします。
fateも、結局は、そういうことだな、と思いました。
#199[2011/10/23 18:11]  fate  URL 

ふふふ。fateさんの第一作品とうたわれているこちらにお邪魔しますね。

fateさんのルーツを探る旅になる?

読むの、頑張ります。
#1996[2012/04/08 10:12]  けい  URL 

けいさまへ

けいさん、

ひゃああああっ、とかって、未だにうろたえます。
これは、作品説明にあったように、無駄な描写がけっこう延々と続きますので、そういう場面はすっ飛ばして進まれてください(^^;

storyはありますので~
#1998[2012/04/09 07:39]  fate  URL 














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