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Stories of fate


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儘 (『花籠』外伝)

儘 第二部 1

「背筋が冷えるほど美しい光景だね」

 聞きなれた懐かしい声に、龍一はぼんやりと目を開けた。

「…椿?」

 そう唇が動いたが、それが声になっていたかどうか、彼には分からない。

 薄暗い石壁の地下牢。入り口には見張りがいた筈なのに、椿がどうやってそこへ辿り着いたのか、龍一はもう不思議に思うこともなかった。彼が捕らわれて数日が経過し、時間の感覚も、痛みの感覚もすでに消えうせていた。

 両腕を縛られ、吊るされ、全身至るところを殴られ、身体中から血を流した瀕死の状態の龍一を、椿はまるで静かに見つめる。縛られた手首がうっ血して、ロープでこすれた皮膚に血が滲み、唇の端から流れ落ちた血の跡がまだ生々しかった。

 椿は、胸元から取り出したナイフで龍一を縛っていたロープを切り落とし、その途端、ずるずると崩れ落ちた彼の身体をしっかりと抱き留める。半分以上肌が露出した状態だったが、晩秋の寒さすら、彼はもう感じていないようだった。

「ど―して、ここに…」椿の腕の中で、龍一は目を閉じる。「何故…来た」
「生意気な口をきくんじゃないよ、龍ちゃん。俺が来なかったらどうなったと思ってんのさ」
「松守は…」
「彼は大丈夫だよ」

 ふわりと椿の胸に抱えられ、龍一は、良かった、と呟く。

「龍ちゃん、そんな力はないかも知れないけど、俺にしっかりつかまれ」
「…逃げ切れるつもりか?」
「俺をバカにしてるのか?」

 龍一は小さく首を振る。

「逃げ切れないと思ったら…俺を置いていけ」
「バカを言うな」椿はにやりと笑った。
「こんなチャンスは滅多にないだろ、龍ちゃん。血を流して憔悴し切っているお前は、ぞくぞくするほどそそるよ。大人しく俺の言うことを聞け」

 ふふ、と龍一は椿の胸で笑ってみせた。

「今度こそ、抱いてくれるのか?」
「もうイヤだと泣いて懇願するまで犯してやるよ」

 すう、と空気の気配を読んで、椿はささやいた。

「行くよ、龍ちゃん。絶対に手を離すな」

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