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Stories of fate


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業火 ~fell fire~(Rewrite編)(R-18)

業火 団欒 14

 年末から年始にかけて、葵の家族は田舎にある父の実家へ泊まりに行く。それは家族にとっても毎年恒例の楽しみだった。受験生を二人抱える今年は、クリスマスもケーキを食べただけで終わっていたため、年末は田舎でゆっくりしようと葵も楽しみにしていた。

「今年は少し早めに出掛けようかと思うんだが」

 と、その晩の夕食の席で、父が皆に向かって提案する。食事を終えて、それぞれコーヒーやお茶をゆっくりと飲んでいるときだった。

「やったぁ」と由美が嬉しそうな声をあげる。彼女は、父の田舎にメールのやり取りをする親しい友人が出来ていた。葵も、父の両親、祖父母が好きだった。

 しかし、基は年が明けてすぐの試験のために家に残って勉強する、と言って同行を断る。

「俺一人だけが他人ですし、ご家族水入らずの邪魔をしたくはないですから」と。
「何を言うんだ。そんなことはないんだぞ、基くん。君は立派に家族の一員だ」

 むしろ、父が気を遣って慌てる。

「ああ、いえ」基は、失言でした、と苦笑する。「初対面の方々にお気遣いいただくとこちらも恐縮します。それに、やはり年明け早々に試験があると思うと、せっかくお邪魔しても、結局は勉強しているだけになりそうですから」
「勉強したいなら、あっちは部屋なんかいくらでもあるから、好きなだけ勉強してて良いんだぞ?」
「そうよ、基。おじいちゃんもおばあちゃんも、基に会えるのを楽しみにしているのよ? 帰りには私の実家にも寄るんだから」母が、飲み終わったカップを抱えて立ち上がりながら息子の顔を覗き込むように見つめる。
「ええ、ありがとうございます」にこり、と基は笑顔を浮かべる。「だけど、資料をすべて持っていく訳にもいきませんし、図書館で調べたいこともあると思うと―」
「…確かに、図書館なんて近くにはないが…」
「ネットで検索すれば良いじゃない?」

 由美が携帯をいじりながら顔をあげた。

「いや」すると、父が苦笑する。「おばあちゃんの家ではインターネットは繋がらない」
「マジで?」

 葵は、にこやかに父と会話を交わす基の横顔を見て、その真意を推し量れずに心臓がドキドキと音を立て始めていた。

「しかし」父は、流しに立って行った母の方へ視線を向ける。
「一人で家に置いても、食事の支度なんかは…なぁ?」
「基」母が振り返って聞いた。「料理なんかは出来るの?」
「そうですね」基は真剣な表情で答える。「カップ麺を作るときにお湯を沸かす程度なら」
「それくらいなら、私も出来るわ」

 由美が笑う。

「そんなんじゃあ、心配だわね」

 母が苦笑した。そして、ため息を吐いて、葵へ視線を移す。心なしか青ざめている葵の表情を怪訝に思いながら、母は言った。

「どうしたの、葵? 気分でも悪いの?」
「え」と葵は驚いて母を見上げた。
「あ、ううん」そして、基が一瞬ちらりと葵に向けた視線を感じて、思ってもいなかったことを口走ってしまう。
「私も残って勉強する」
「え?」

 と、父も母も由美も驚いて葵を見つめた。



「どういう風の吹き回しさ?」

 一緒に階段を上る途中で、先を歩く基は振り返らずに葵に聞いた。

「ど…どう、って―」自分でもよく分からない先ほどの言動を、葵にも説明なんか出来ない。ただ、そうしなければ、と感じてしまったのだ。だいたい、どこか脅すような視線を投げたくせに、何を言ってるんだろう? と葵はむしろ恨みがましい目で基を見上げる。


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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[恋愛:エロス:官能小説

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