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Stories of fate


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業火 ~fell fire~(Rewrite編)(R-18)

業火 団欒 11

 その日、家族は皆リビングに集まり、映画鑑賞をすることになっていた。
 時代劇が好きな葵の家族は、テレビのロードショーで時代劇が放映されると一緒にそれを観る習慣があった。

「俺は、そういうのはあんまり」と苦笑して部屋に引き上げる基は、去り際、他の家族には気付かれないように、葵に視線を送った。その意味を理解して葵は青ざめた。

 ここ10日ほど、両親や由美の不在の時間はなく、葵は怯えながらもほっとしていたのだ。

 基がこんなチャンスを逃す筈はなかった。ここで気付かない振りをするのは簡単だ。実際、葵も久しぶりに家族との楽しい時間を過ごしたかったし、観たい映画でもあった。

 僅かに躊躇い、一度は知らない振りをしようとしたが、後でどんな仕打ちを受けるかと考える方が怖い気がした。家族に、特に母に知られる訳にはいかない。基は、母の生んだ実子なのだ。

「…あ、私も…今日は、少し勉強する」

 唇を噛み締める思いで、葵はそう言った。

「ええっ、お姉ちゃんの好きな役者さん出てるのに!」由美が驚いたように姉を窺う。
「うん、また今度」葵は力なく微笑んだ。
「お姉ちゃん、風邪でもひいた?」
「え、風邪?」母が由美の言葉に反応して、葵の額に手を触れる。
「熱はないみたいだけど」
「だから、たまには勉強するだけだって」

 葵は優しい家族の気遣いに、笑顔で応えた。声が震えないように細心の注意を払って。じゃ、と廊下に出てふと階段の上に視線をやるとそこに基の姿を見つけて葵はぎくりと立ち止まる。階段の上で、手すりにもたれながら家族のやり取りの一部始終を聞いていた基は、皮肉な笑みを浮かべて葵を見下ろしていた。

「お前の家族はおめでたいな」
「そんな言い方―」

 思わず家族を庇いかけた葵は、基の暗い瞳にはっとして口をつぐむ。そこに宿っていた光は、憎悪とも嫉妬ともつかない黒い闇を宿していた。

 葵がのろのろと階段を上りきったところで、基は彼女の腕を掴んで有無を言わさず部屋の中に引きずり込む。

「も…っ」
「声を出すな」

 低い声で基は彼女を睨みつけながら後ろ手で扉を閉め、鍵を掛ける。

「もう、やめて、基。こ―こんなこと、絶対おかしい」
「うるさいよ」

 葵の腕を乱暴に掴んで背後から抱き寄せ、基は腕の中の獲物の服を外そうとする。

「基、お願いっ」
「うるさい」

 基の声は苛立った。暴れる葵の服を引き剥がすように脱がせ、怯えて彼を見上げる彼女をめちゃくちゃにしてやりたい衝動に駆られる。

「あとは自分で脱げよ」

 声のトーンがこれまでになく低く不穏だった。

「も…、もと―」
「脱げ」
「お願い…」
「聞こえなかったのか?」

 また、あの瞳だ。葵は怯えて立ち竦んだ。これ以上怒らせたらどうなるのか分からない。本気でそう思わせるような冷たい光が宿っている。震える指先で、葵は一枚一枚服を脱ぎ捨てていく。視線を合わせなくても、基がじっと彼女の動きを見据えていることが分かる。その痛いほど不躾で冷たい視線を感じ続けていた。

 最後に下着を外して顔をあげると、基の表情は幾分緩んでいた。

「おいで、葵」

 抱き寄せられ、唇を重ねると、葵はもう抵抗は無駄だと思い知る。頭では認めたくない。しかし、身体がきっちりと基の愛撫に反応する。火照った肌が、ちくりと疼く身体の奥が、基を求めていることが分かった。


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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[恋愛:エロス:官能小説

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