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Stories of fate


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業火 ~fell fire~(Rewrite編)(R-18)

業火 姉弟 6

 家族がすべて出かけ、母が最後に後片付けをして「じゃ、行ってくるわね」と玄関を出て行く後姿を見送ると、葵は不意に言いようのない不安に陥る。基は彼の部屋にいて今は姿が見えない。

 今の内に自分もどこかへ出かけよう、と葵は思った。

 身体の隅々にまでまだ昨夜の余韻が残っていて、弟のことを考えるだけで、身体の奥にきしむような痛みが走る。あれは、何だったんだろう? 自分の身体が自分のものではないような感覚。弟の腕の中で身体が勝手に反応し、熱く火照り、痙攣し、それまでに味わったことのない恍惚感に包まれたあの瞬間は。

 そして、基の唇の、舌先の熱い感触。身体の奥にねじ込まれた男というもの。
 あのときの基の目を思い出すと、葵はぞくりと背筋に震えが走った。そこに映っていたのは、紛れもない‘狂気’だった。

 そっと階段を上がり、自分の部屋に戻ると、葵は外出するための着替えを用意する。大急ぎで着替えを始めた途端、すっと扉が開いて基が姿を現す。

「きゃっ、なっ、何よっ? 勝手に―」

 下着姿だった葵は驚いて声を上げた。慌てて持っていた服で身体を隠す葵に、基は無表情で近づき、その手から今身につけようとしていたセーターを奪い取る。

「ほら、ね」踵を返した葵の腕を掴んで基は歪んだ笑みを浮かべた。「案の定、こそこそと出掛けるつもりだったんだろ?」
「わ―、私が休日に何をしようと勝手でしょ! それ、返してよ」
「何、言ってんの?」基は、葵の身体を捕らえてぐい、と後ろから髪を掴んで上を向かせる。そして、次の瞬間にはすとん、と表情が変わった。

「出かける話なんて聞いてないよ? 葵。それに、言っておいたよね? 今日は逃がさないよ」

 どん、と突き飛ばすように葵をベッドの上に倒し、驚いて声をあげる間もなかった彼女をあっという間に組み伏せる。

「俺としては、随分、手加減して大事にしてやったつもりだったんだけどね。君がそのつもりなら、今日はもう容赦しないよ」

 地の底から響くような、まるで感情のない声で、基は耳元にささやく。

「昨日、約束した通り、今日は一日俺の腕に狂わせてやるよ」
「勝手なこと、言わないで!」
「良いよ、今日はどれだけ声をあげても。どうせ、家にはもう誰もいない」
「そ…っ、外に聞こえるっ」
「多少聞こえたって、何をしているかなんて分からないっつうの!」
「や…っ、めて」

 むちゃくちゃに腕を振り回す葵の両腕を片手で押さえ込むと、基はそれを彼女の頭の上に固定する。

「お願いっ、こんなこと、ダメ!」
「うるさいよ」

 悲鳴のような葵の声に基は薄い笑いを浮かべる。

「ああ、もっと叫べよ、葵。そうやって暴れれば暴れるほど、俺は興奮するんだ」

 くくく、と歪んだ笑いを浮かべる基の目は、どう見ても、マトモな神経の人間の光ではなかった。

「も―、基?」
「そうだね、俺の名前をもっと呼べ」不意に首筋に唇を寄せ、基は耳たぶをべろりと舐める。「誰の腕に狂うのか、しっかり刻みつけておくんだよ」
「な―、なに、言ってるの?」葵は震える声で必死に言葉を紡ぐ。「基、待って。おかしいよ、こんなの。お願い、お願い、基!」

 葵の声は、言葉は、まったく彼には届いていないようだった。執拗に首筋に唇を這わせながら、ささやくように彼は言った。

「葵、君がどこまで正気を保てるのか、楽しみだね」

 信じられなかった。弟の口から出る言葉を。これは、本当に自分と血を分けた双子の弟なのだろうか? 本当に?
理解しようとすることを、理性が拒絶し、受け入れることを身体が拒絶していた。



 どのくらいの時間、悲鳴をあげ続け、喘ぎ続けたのか葵には分からなかった。
 朦朧とする意識の中、四つん這いになって背後から基を受け入れて声を上げ続けたことと、ぴったりと身体を合わせ、繋がった下半身もふさがれた口もどろどろに溶け切って思考すら形を成さなくなった感覚をぼんやりと覚えているだけだった。
 

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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[恋愛:エロス:官能小説

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