ぐったりとだるい身体をベッドから引き剥がすように起こして、私はふらふらと立ち上がった。横に眠っていた男が、目を開けた気配がしたが、私は振り返らなかった。喉が渇いていた。冷蔵庫は? 水は…?
「テーブルの脇にペットボトルが置いてあるだろ?」
背後から男が声を掛ける。私は言われた方を見て、ボトルを見つけた。
飲み終わってその場に座り込んだ私に、男は戻って来いと言う。
立ち上がる気力も体力もなくて、しかも、男の命令に従うのがイヤで、私はそのまま動かなかった。
ふうん、と男が身体を起こす気配がした。
はっと気付くと背後から髪の毛を掴まれ、引き上げられる。その痛みに私は悲鳴をあげた。
「良い子だから、言うことを聞きな」
ほとんど下着姿の私は、男の手が喉元を締め上げ、もう一方の手が胸をぐい、と掴んだ感触にぞっと震えが走った。
「離し…っ」
「なんだって? もう一度言ってご覧、香織ちゃん?」
香織、とこの男は私を呼ぶ。覚えはないが、恐らくそれは間違いないのだろうとどこかで感じる。少なくとも、私よりもこの男の方が私を知っているのだ。
「…イ…ヤ!」
身長差はそれほどないのに、男の力はすさまじく、私はまったく身動きが取れない。
「そうじゃないだろ? 返事はどうした?」
締め上げられた喉が苦しくて、次第に全身から力が抜けてくる。
「ご…めんなさい…」
辛うじてそう声を絞り出すとやっと男は力を緩めてくれた。
ずるずると崩れ落ちた私の身体を簡単に抱え上げて、男は私をベッドへと運ぶ。
そう。
今さら抵抗したとしても、もうどうしようもない。目覚めたあのあと、ろくに動けない私を、この男はすでに散々陵辱したあとなのだ。
もう辺りは闇に包まれていた。
ここは水道はないが、電気だけは通っているようで、明かりだけは点く、らしい。当然、お湯もないからシャワーやお風呂の類もない。
寒さは感じない。今は少なくとも冬ではないということだ。
私の身体をベッドに押し付けた男は、再度、私の身体を弄ぶ。首筋に唇を押し付け、胸を手の平で押し潰し、乳首の先を指先で転がす。
「あっ…あぁ、あ、あ…っ」
嫌悪に震えても、声は漏れる。
男の舌が乳首を包み込み、生暖かい感触が胸全体をくまなく這っていく。
気が遠くなりそうだった。精神的なものではなくて、そのとき、私は本当に体力が限界だったのだろう。
そのまま何度か本当に意識が飛び、次に目を開けたとき、その息苦しさに私は反射的にもがいていた。男が口をふさぎ、喉の奥まで私の口を犯していた。
「んっ…んんぅっ」
手足を精一杯バタつかせたが、何も変わらなかった。むしろ、身体の奥に鈍い疼きを感じて私は背中をのけぞらせる。そして、知った。男のモノが私の中を貫いているのだということを。
男は何も言わない。私の口を解放して喘ぐ私を見下ろしたまま、ゆっくりと腰を動かす。その度に走る電流に似た刺激が背筋を何度も駆け上る。
「や…っ、イヤ…! もう…」
次第に意識が危うくなる。
「許して…」
揺らされながら、視界がぼやける。そして、辺りが闇に包まれる刹那、身体の奥に熱いものを感じた。
「テーブルの脇にペットボトルが置いてあるだろ?」
背後から男が声を掛ける。私は言われた方を見て、ボトルを見つけた。
飲み終わってその場に座り込んだ私に、男は戻って来いと言う。
立ち上がる気力も体力もなくて、しかも、男の命令に従うのがイヤで、私はそのまま動かなかった。
ふうん、と男が身体を起こす気配がした。
はっと気付くと背後から髪の毛を掴まれ、引き上げられる。その痛みに私は悲鳴をあげた。
「良い子だから、言うことを聞きな」
ほとんど下着姿の私は、男の手が喉元を締め上げ、もう一方の手が胸をぐい、と掴んだ感触にぞっと震えが走った。
「離し…っ」
「なんだって? もう一度言ってご覧、香織ちゃん?」
香織、とこの男は私を呼ぶ。覚えはないが、恐らくそれは間違いないのだろうとどこかで感じる。少なくとも、私よりもこの男の方が私を知っているのだ。
「…イ…ヤ!」
身長差はそれほどないのに、男の力はすさまじく、私はまったく身動きが取れない。
「そうじゃないだろ? 返事はどうした?」
締め上げられた喉が苦しくて、次第に全身から力が抜けてくる。
「ご…めんなさい…」
辛うじてそう声を絞り出すとやっと男は力を緩めてくれた。
ずるずると崩れ落ちた私の身体を簡単に抱え上げて、男は私をベッドへと運ぶ。
そう。
今さら抵抗したとしても、もうどうしようもない。目覚めたあのあと、ろくに動けない私を、この男はすでに散々陵辱したあとなのだ。
もう辺りは闇に包まれていた。
ここは水道はないが、電気だけは通っているようで、明かりだけは点く、らしい。当然、お湯もないからシャワーやお風呂の類もない。
寒さは感じない。今は少なくとも冬ではないということだ。
私の身体をベッドに押し付けた男は、再度、私の身体を弄ぶ。首筋に唇を押し付け、胸を手の平で押し潰し、乳首の先を指先で転がす。
「あっ…あぁ、あ、あ…っ」
嫌悪に震えても、声は漏れる。
男の舌が乳首を包み込み、生暖かい感触が胸全体をくまなく這っていく。
気が遠くなりそうだった。精神的なものではなくて、そのとき、私は本当に体力が限界だったのだろう。
そのまま何度か本当に意識が飛び、次に目を開けたとき、その息苦しさに私は反射的にもがいていた。男が口をふさぎ、喉の奥まで私の口を犯していた。
「んっ…んんぅっ」
手足を精一杯バタつかせたが、何も変わらなかった。むしろ、身体の奥に鈍い疼きを感じて私は背中をのけぞらせる。そして、知った。男のモノが私の中を貫いているのだということを。
男は何も言わない。私の口を解放して喘ぐ私を見下ろしたまま、ゆっくりと腰を動かす。その度に走る電流に似た刺激が背筋を何度も駆け上る。
「や…っ、イヤ…! もう…」
次第に意識が危うくなる。
「許して…」
揺らされながら、視界がぼやける。そして、辺りが闇に包まれる刹那、身体の奥に熱いものを感じた。
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