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Stories of fate


アハンカーラ ~エゴ・自我意識~ (R-18)

アハンカーラ (堕ちた世界) 2

 ぐったりとだるい身体をベッドから引き剥がすように起こして、私はふらふらと立ち上がった。横に眠っていた男が、目を開けた気配がしたが、私は振り返らなかった。喉が渇いていた。冷蔵庫は? 水は…?

「テーブルの脇にペットボトルが置いてあるだろ?」

 背後から男が声を掛ける。私は言われた方を見て、ボトルを見つけた。
 飲み終わってその場に座り込んだ私に、男は戻って来いと言う。
 立ち上がる気力も体力もなくて、しかも、男の命令に従うのがイヤで、私はそのまま動かなかった。
 ふうん、と男が身体を起こす気配がした。
 はっと気付くと背後から髪の毛を掴まれ、引き上げられる。その痛みに私は悲鳴をあげた。

「良い子だから、言うことを聞きな」

 ほとんど下着姿の私は、男の手が喉元を締め上げ、もう一方の手が胸をぐい、と掴んだ感触にぞっと震えが走った。

「離し…っ」
「なんだって? もう一度言ってご覧、香織ちゃん?」

 香織、とこの男は私を呼ぶ。覚えはないが、恐らくそれは間違いないのだろうとどこかで感じる。少なくとも、私よりもこの男の方が私を知っているのだ。

「…イ…ヤ!」

 身長差はそれほどないのに、男の力はすさまじく、私はまったく身動きが取れない。

「そうじゃないだろ? 返事はどうした?」

 締め上げられた喉が苦しくて、次第に全身から力が抜けてくる。

「ご…めんなさい…」

 辛うじてそう声を絞り出すとやっと男は力を緩めてくれた。
 ずるずると崩れ落ちた私の身体を簡単に抱え上げて、男は私をベッドへと運ぶ。

 そう。
 今さら抵抗したとしても、もうどうしようもない。目覚めたあのあと、ろくに動けない私を、この男はすでに散々陵辱したあとなのだ。



 もう辺りは闇に包まれていた。
 ここは水道はないが、電気だけは通っているようで、明かりだけは点く、らしい。当然、お湯もないからシャワーやお風呂の類もない。

 寒さは感じない。今は少なくとも冬ではないということだ。
 私の身体をベッドに押し付けた男は、再度、私の身体を弄ぶ。首筋に唇を押し付け、胸を手の平で押し潰し、乳首の先を指先で転がす。

「あっ…あぁ、あ、あ…っ」

 嫌悪に震えても、声は漏れる。
 男の舌が乳首を包み込み、生暖かい感触が胸全体をくまなく這っていく。

 気が遠くなりそうだった。精神的なものではなくて、そのとき、私は本当に体力が限界だったのだろう。
 そのまま何度か本当に意識が飛び、次に目を開けたとき、その息苦しさに私は反射的にもがいていた。男が口をふさぎ、喉の奥まで私の口を犯していた。

「んっ…んんぅっ」

 手足を精一杯バタつかせたが、何も変わらなかった。むしろ、身体の奥に鈍い疼きを感じて私は背中をのけぞらせる。そして、知った。男のモノが私の中を貫いているのだということを。

 男は何も言わない。私の口を解放して喘ぐ私を見下ろしたまま、ゆっくりと腰を動かす。その度に走る電流に似た刺激が背筋を何度も駆け上る。

「や…っ、イヤ…! もう…」

 次第に意識が危うくなる。

「許して…」

 揺らされながら、視界がぼやける。そして、辺りが闇に包まれる刹那、身体の奥に熱いものを感じた。


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