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Stories of fate


下化衆生 (R-18)

下化衆生 (見えない鎖に縛られて) 13

 熱い。
 なんだろう? 身体が熱い。

 はっと目を開けると眩しくて、視界いっぱいに光が満たされていて、まず目に写ったのは見慣れない、だけど見覚えのある天井。そして、何故か視界が揺れてヒトの顔が見えた。

「…あ、あ、ぁぁあっ」

 思わず漏れる声に、自分でぎょっとした。訳が分からずに、美久は腕を持ち上げて、何かにしがみつこうとする。その途端、まるで溜まっていた熱が一気に腰の辺りををカッと熱くして痺れのような快感が走る。視界は一瞬真っ白になって背筋が硬直して痙攣した。

 続いて、身体の奥に熱いものが流れ込む感触に愕然とする。
 はぁはぁと息を切らせたまま、やっとしっかりと目を開けて美久は目の前の男の顔を見つめた。

「な…に、して…」
「おはよう、美久ちゃん」

 うっすらと汗を浮かべて、遼一もどこか恍惚とした光を瞳に浮かべていた。抗議の声はまったく届いていないようだ。

「キスしても起きないし、ゆっくり挿入してみてもしばらく目を覚ます気配なかったから」

 から…って、そんな。

 朝っぱらから、何でそういう流れになるの? もうこっちはほとんど動けないのに、何で、こいつはこんなに元気なんだろう? 信じられない…

 放出を終えたはずなのに、遼一は出ていく気配はない。しかも、つまり、中に思い切り射精したんだよね?

「や…だ、もう、放して」
「ヤダよ」

 身体をよじってみてもがっしりと腰を抱かれているので大して動けない。しかも、下半身は繋がったままなので姿勢を変えようとすると中をかき回されるような刺激を受ける。

「このまま一日繋がっていても良いよ、俺は」

 唖然とした。美久を見下ろしてにやりと微笑む彼の目は、決して冗談を言っているようではなかった。冗談でしょ? と笑えば良いのか、怒れば良いのか、それとも止めて、と哀願すれば良いのか…。

 遼一は、青ざめて言葉を失った美久を見て笑うと、片方の手を伸ばしてベッド脇の小さなテーブルの上からカップを手に取った。それを一口含んでカップを戻し、ゆっくりと顔を近づけてきて美久の口にそれを流し込もうとする。

 思わず顔を背けて口を閉じると、空いた手で鼻をつままれ、苦しくなって口を開けるしかなくなった。

「…ふっ…ん、んっ」

 流し込まれたその液体はコーヒーだ。そういえば、ほんのりとコーヒーの香りが漂っている。遼一が起き出してコーヒーを淹れても、美久は目を覚まさなかったのだ。

 苦味が口の中に広がり、遼一は口をふさいだまま舌を絡ませてきた。巧妙な舌使いに下半身がむずむずしてくる。やがて遼一が小刻みに腰を揺らし始め、くちゅくちゅと水音が響いてきた。

 揺れ幅が大きくなってくる度に、中に注がれた精液が押し出されて溢れてくるのが分かる。後ろの穴までしっとりと濡れてきた。

 昨夜、さんざん突かれた子宮の入り口が、こすられた膣の粘膜が悲鳴をあげている。まるで処女幕が破られたときの痛みに似ていた。

「んん、んっ」

 もうイヤだとどれだけ腕を突っ張ってみてもしがみついてみても、遼一の腰の動きは次第に大きくなり、激しい舌の動きも止む気配はない。苦しくなって、美久は浅い呼吸を繰り返す。

 もう、ダメ。もう、イヤ。もう…おかしくなる…っ

 頭の芯がぼうっと白く霞み始める。不意に口中に新鮮な空気を感じて、美久は声をあげる。それは切なくも甘い喘ぎで、むしろ遼一の官能を誘った。

「ぁ、ぁ、ぁぁ…、ぁっ」

 何度も繰り返しイッた二人は、上り詰めるのに時間がかかった。大きく抜き差しを繰り返し、遼一は最後には美久の両足を股関節から折り曲げて更に奥深くをえぐった。鋭い痛みと鋭い官能に、美久は一気に痙攣する。そして、それを感じて遼一もなんとか上り詰め、奥深くへ突き刺したまま最後の熱を放った。

 ゆっくりと最後の一滴まで注ぎ込んで、やっと遼一は美久の身体を解放する。

 はぁはぁと荒い息遣いで美久の横に倒れこみ、遼一は満足そうに、たった今まで中にいた細い身体を横から抱き寄せた。

 両手両足で絡みつくように抱きしめられ、美久は半分朦朧とした状態でいた。

‘俺のものだ’と遼一は言った。
 確かにモノ扱いだ。

 こんな風に人としての尊厳も権利も何も認められない。正気でいて、考えて決定する時間を与えられず、ただ溺れさせられる。思考を奪われ、もう、何もかもどうでも良いような気分にさせられる。

 自分の身体どころか、意志すら自由にならない。

「そうだよ、美久ちゃん。君の身体はもうもらったよ。あとは心も俺に従う覚悟を決めな」

 まるで美久の心を見透かしたように、遼一は美しい笑みを見せた。
 
 
 
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ジャンル:[小説・文学] テーマ:[恋愛:エロス:官能小説

~ Comment ~


深夜に読んでます

この前の結さんのコメントと、fateさんのお返事を読んでつい、くすくす笑ってしまいました。
見てられないような子ばっかり、という結さんのご感想は、ある意味、当たってますよねぇ。
愛し方を知らないというのか、一種不器用というのか、そういう男性がよく出てきますよね。
だけど、彼は彼女を深く深く愛している、のですよね。

fateさんがお書きになる女性はあまり泣かない印象があるのは、なぜでしょうか?
今回の美久ちゃんは泣いてますが、他の作品の女性たちは「けなげ」だからでしょうかね。
そう感じているのって私だけかなぁ。
#1623[2012/02/15 00:32]  あかね  URL 

Re: 深夜に読んでます

あかねさん、

こんな世界を深夜に…
いや、日中に読めませんわな(^^;
(更新は朝やってるけどさ。fateも内容は見てない。こんなのじっくり読みなおしながらup出来んわ。)

> この前の結さんのコメントと、fateさんのお返事を読んでつい、くすくす笑ってしまいました。

↑↑↑…はははは。

> 見てられないような子ばっかり、という結さんのご感想は、ある意味、当たってますよねぇ。
> 愛し方を知らないというのか、一種不器用というのか、そういう男性がよく出てきますよね。
> だけど、彼は彼女を深く深く愛している、のですよね。

↑↑↑今回、遼一は自分が病んでいることを自覚している子です。
その内、本人が告白します。

> fateさんがお書きになる女性はあまり泣かない印象があるのは、なぜでしょうか?
> 今回の美久ちゃんは泣いてますが、他の作品の女性たちは「けなげ」だからでしょうかね。
> そう感じているのって私だけかなぁ。

↑↑↑ありがとうございます!
泣く子でも、強い子はいるからなぁ。
奈緒ちゃんは泣くけど、あの世界では一番強い子かも知れない。
これ、実は『アダム~』に限りなく近いハナシです(^^;
#1625[2012/02/15 08:32]  fate  URL 














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